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昨夜、北九州市小倉南区にある葛原校区の『Bousai会議』に出席してきました。

コロナ以前から、校区をあげての『Bousai会議』を実施しており、
避難情報の発令や、普段とは違う災害の予兆を確認したときなどに、地域住民による連絡網などで情報を伝達し、安全な場所へ避難することを目指しています。

(北九州市内では、このような取り組みを多くの校区で実施しており、市内で約130校区のうち既に36校区が実施しています。)

この葛原校区の素晴らしいところは、Bousai会議を立ち上げた頃からの熱量、いやそれ以上の熱量で、活動を継続されているところです。

コロナ禍で、各種訓練や会議・イベントが実施できずにいましたが、今年度になり再始動しています。

早速、各町内会をベースに、緊急連絡網を使用した『情報伝達訓練』を実施するように校区全体で企画していました。

昨夜、町内会長さん達が集まり、その実施結果を皆さんから報告いただいていました。

各町内会、工夫をこらして、草の根的に住民の皆さんへの説明や準備にご尽力されてらっしゃり、とても頭の下がる思いでした。

なかには、伝達開始から終了までの時間を測定し、何世帯にどれぐらいの時間で、また系統として不備のある個所はないかの点検をしたり、具体的な検証をされ、グラフ化した資料をお持ちしている町内もあったほどです。

ぼくもいろんな地域でこの取組みをしていますが、全体的にこれだけしっかりした地域は見たことがありませんでした。

今回の町内会別の情報伝達訓練の感想をいただくなかで、各町内の皆さんからの発言のなかで、こんな声が多く聞こえました。

・まず隣り近所で声を掛け合う体制づくり
・足腰の悪い人、お年寄りなどは、町内や組でみんなでサポートし合う
・家の中で安全を確保する人たちにも情報を伝達し合う
・安心感をつくるためにも情報を伝える

まさかの、経験のない災害が発生した際でも、死者ゼロを目指す皆さんのお言葉は力強いものでした。


訓練の報告会が終わった後に、今回のメインテーマである
『避難者受入れ訓練』を実施しました。

頻発する大雨災害。年間に5~6回ぐらいは
避難情報が発令され、
まちのコミュニティ拠点である市民センターが避難所になります。

これまでは区役所の職員が避難所運営要員として派遣され、「区役所の運営する避難所」になっていましたが、
これからは、地域住民により避難所を運営し、
「自分たちのまちの避難所」を目指すものです。

市民センターのカギの開け方から警備の解除の仕方、エアコンの入れ方や必要資器材の保管場所の確認など。
事細かに確認していきました。

これまで行政がしていたことを、言葉悪く言えば地域に押し付けられるわけですから、批判や否定の声が聞こえるかと思えば、全くそれはございません。
皆さん真剣に視線を傾けてらっしゃいました。

出てくる質問や疑問も真剣そのもの。
皆さん、『このまちの避難所』への想いを傾けていただいています。


これまでは、「役所の人がいるから、避難所に”行ったら”」と住民どうし案内していただいていましたが、
これからは、「私たちがいるから、避難所に”おいで”」と言えるわけです。
この違いはとても大きなものがあると確信しています。


地域コミュニティが希薄化するなか、
災害対応や防災まちづくりに重点的に取り組まれ、
地域の皆さんの安全や安心のために、
ご尽力されている皆さんの想いや姿勢にとても感動させていただきました。


この地域の皆さんによる主体的な避難所運営は、ぼくが公務として携わらせていただいているもので、小倉南区ではこの校区だけでなく10校区以上がこの取組みにチャレンジしようとしています。

北九州市は全国的に比較すると災害の少ない安全な街と言われており、災害経験も少ないです。
でも、もしかすると起きるかもしれない災害に備えて、真の意味で安全な街、安心な街になっていくことを目指しています。


それに向かうためには、いくら行政が頑張っても限界があります。
いくら市民活動者が頑張っても限界があります。
こうして各地域の皆さんがご尽力、ご活躍されていくことで達成できることだと思います。
災害が起こる前に活躍する地域の力。
とても頼もしく、素晴らしく感じます。


今日もご覧いただきありがとうございます。

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