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先週土曜日、ハンターで走り終えた後、
『斜面崩壊と雨の降り方の関係に関するシンポジウム』に参加してきました。
北九州市(危機管理室)と土木学会西部支部の共同主催によるシンポジウムです。

テーマは、『斜面災害』ということで、
長崎大学の高橋名誉教授の講演も前日に行われたようです。

北九州市も海から山へすぐに続いていく自然豊かな地形であり、その中で都市化が進みました。斜面防災というのはすぐ目の前にあるテーマです。
同様の課題への対応をされている神戸市からも行政のご担当者さんが登壇されました。

住民代表として、ぼくが現在Bousaiまちづくりの支援をさせていただいてる枝光第二区の宮地自治会長がご講演されました。

隣りの第一区も含めた、長年にわたる「まち歩き」での空き家対策や、防災計画づくりについてご説明がされました。
斜面地と空き家の関係性は著しく、
歳をとってから自力で生活するにはキツイ斜面地や、若者が住み替えるには不便な場所、さらには工事車両も近付けない位置にあっては、空き家の解体には莫大な費用がかかります。

そんな斜面地での超重要テーマである空き家問題について、行政任せにせず、九州大学の皆さんの力も借りながら、住民によるチェックを続けてきています。
少しずつ、ホントに少しずつですが成果が表れてきています。
成果が表れているということもチェックできるようになっているのがスゴイところです。
また、住民の皆さんの眼が肥えていっており、空き家になった際には早急に確認ができたり、お亡くなりになったり入院した際にはすぐに情報を共有したり、未然防止にもなっています。
更には、老朽化の進み具合や、強風前後の変化にも気付くようになっています。

これらも、住民だけで実施するのではなく、情報をまとめて、行政と共有し、行政にできる部分については、要請していくという関係性が構築されています。


市民のプレイヤー代表として、我らが古野さんがご登壇されました。

古野さんは、ぼく達と同じくBousaiまちづくりのファシリテーターとして各地で活躍されるのみならず、ご自身が公民館の館長をされていて、地域の自治会活動の中での、防災まちづくりに取組まれています。

特に素晴らしいところは、住民機能としての情報伝達を確立しようとしているところです。
防災訓練で情報伝達をします。それもどれぐらいの時間がかかったか、記録をとるようにしていて、数字化してその進歩を確認しています。
出水期前のこの情報伝達機能を確立するため、花見の頃には連絡網の見直しを、というキャッチフレーズで取り組まれているそうです。


後半は、登壇された皆さんによるパネルディスカッションです。

古野さんの積極的な話題展開もあり、
ホントに、本音トークでの面白いディスカッションとなりました。

主催側の学会の皆さん【学】
主催側の行政の皆さん【官】

それぞれの立場や目線があります。
大きな声で言えないこともあったでしょう。

土木学会の方の中には、学会でというよりも、民間業者として対応はできるというお話もあり、まさに【産】や【民】の存在です。

産学官民で言えば、地域住民は【民】にあたるのでしょうか。

斜面災害の各種問題にあたり、
それぞれの立場で課題視して考えています。

学から見たときには、それほど地域での取組みが見えていなかったり、
地域から見たときには、それほど学の専門的な見識がなかったりします。

きっと、これらを繋ぐ役割が【官】なのかなと思います。

専門的知識ももちろん共有し、地域の頑張りも理解・把握していく。その中で出来る支援を考えていく、ということかと思います。


また、古野さんやぼくたちのように、
地域みんなでやろう!
市民活動者がその地域づくりを支援する!!
といったような【共】の存在が、ぼくは重要だと思っています。

ぼくの言う【共】っていうのは、
地域であれば、自治会であったり、PTAであったり、地域を繋ぐ役割のもの。
また、ぼくたちのような市民活動もこれにあたります。

それぞれの繋ぎ役になるとともに、
足りないその間を埋めていく存在にもなります。


『連携』や『協働』と言ってしまうのは簡単ですが、
きっと、このシンポジウムのように、
本音で『対話』していくことで、
相互の理解が深まったり、
相互の課題認識を共有したり、
一緒にやっていこう!という意欲もわいてきます。

まずは、『対話』ですね。


古野さんから、
斜面災害を防ぐために、住民自身がチェックできるようなハンドブックをつくることができないか!?とご提案がありました。

行政からは、既存のものが一応あります。おそらく難しいが・・・。と言います。
学会からは、状況は千差万別です、大まかなことは言えるかもしれません。が、判断に迷う場合は専門家に見てもらった方が・・・。と言います。

それぞれの立場からすると当然の回答だと思います。

それでも古野さんはめげません!(笑)
いやいや、住民自身でチェックすることが何より重要だし、いちいち専門家や行政も呼ばれたら大変でしょっていう話です。

古野さん、
『共』で実現しましょう。

同様に課題視して携わるメンバーはたくさんいます。
住民目線での気持ちを汲みあげるのも、ぼくたちの存在領域です。

その素地の上に、専門的なノウハウを引き出していくのもぼくたちにでも出来るでしょう。

ぜひ、実現したいですね。


産学官民、地域、共。

それぞれの領域がありつつも、
橋渡しをする役割において、官の存在は大きいと思います。

橋渡しと溝を埋めていく役割として、『共』の存在が重要だと思います。

そんなことを再認識するシンポジウムでした。
主催の皆さん、ご登壇の皆さん、ありがとうございました。


今日もご覧いただきありがとうございます。


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地形を感じる、良いですね~。



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