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「振り回されちゃって~」凄腕館長に見た地域づくりのスキル

ぼくの尊敬する館長さんが、昨日、わざわざお越しくださって、その地域で作った集大成となる作品を見せていただきました。

ずっと積み上げてきたものが、ひとつの成果物になって、ぼくも、とてもとても感極まりました。

その館長いわく、
「いえいえ!私なんて何にもしてないんです、地域の人たちがスゴイんです!私なんて振り回されてるばっかりです!
なんて謙遜するんですが、これがこの館長さんのスゴイところなんです。

このエッセンスについて紐解いてみたいと思います。


ハンマー投げのイラストは、英香制作室さんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます!
最後に「ハンマー投げ」の意味を書きます。


①市民センター館長は地域づくりのキーパーソン!

全国的には「公民館」となっている地域が多いと思いますが、
地域コミュニティの拠点施設として、
北九州市では、小学校区単位で『市民センター』が設置・整備されています。
市内で、たしか136箇所あります。

市民センターそれぞれに『館長』が市役所の嘱託職員として配属されています。
館長は、自分のまちではない、違うまちに勤めることとなっています。
なので、『よそ者』としてそのまちに勤めることとなります。

館長さんは、最長5年の任期で、また次のまちへと移っていく方が多いです。

館長さんは、市民センターの管理運営だけでなく、
各種講座の企画・実施や、ご来館の地域住民の皆さんを繋げていく役割であったり、
『地域づくりのキーパーソン』としてお仕事をされてらっしゃいます。

ぼくなんかは、仕事や活動を通じて、色んな市民センターとお付き合いがありますので、色んな館長さんにお目にかかっています。

館長さんの色合いは、笑えるほどに千差万別です(笑)
色んな館長さんがいて、とっても面白いです!!


・人を繋ぐのが上手い館長
・企画立案が上手い館長
・職員さんなどの育成が上手い館長
・発信や宣伝力がある館長
・縁の下の力持ちで派手さはないんだけど何だかスゴイ館長
・なんだかほんわかして、自然とまわりに人が集まってくる館長

とっても多彩なステキな館長さん達ばかりです!!


②『協働』を生み出すテクニック

館長さんの重大な重大な役割として、
地域の皆さんの『協働』をいかに引き出していくか。

でも、それってとっても難しいんですよね。

このネタやこの事業をすれば上手くいく!なんてものは全くなく、
日ごろからの言葉づかい、姿勢、位置関係などのバランス、などなど、、、
そのスキル、テクニックは答えがなく、深い深いものです。

また、その人にあったやり方を身につけていくほかないと思っています。

ぼくも、これまでの経験の中で、
こんな『協働』を生み出すノウハウについて、研修をさせていただいたりしています。

協働ノウハウの整理表

ウチのNPOと連携させていただいた、歴代の館長さん達に協働のノウハウを教えていただいたときの整理表です。
内部資料として作ったものでしたが、チラッと載せておきます。



③この館長さんのスゴイところ

いくら剛腕の館長が、素晴らしい企画を持ち込んで、ガシガシ押し進めていったとしても、地域住民の方々が協力しなければ、小さな企画となってしまいます。

地域の方々が、主体的に、気持ちを寄せ合って活動を共にしていくことが地域づくりの醍醐味です。

そんな人を引き寄せる、
言葉悪く表現すれば「人を動かす」力が重要となります。

今日の話題の館長さんのスゴイところは、まさにそんな力です。


この館長さんは、いつも謙遜されていて、
「いえいえ、私なんて何にもできないんです・・・!」

と、おっしゃっていて、控え目なんですが、
活動のキーパーソンとなる人に、しっかりと主体的に動いてもらえるように、一歩下がって、後ろから下から支えていたように感じています。

そして、
そうした人財となる人材を、捕まえられるように、日ごろからアンテナを高くしてらっしゃったように思います。
これまで地域活動に関わりのなかった人でも、きっちり捕まえてきて(笑)、ちゃっかり引きずり込まれているような感じですね(笑)

そのためには、日頃から、色んな人を見て、色んなところにアンテナを張り巡らせてらっしゃったように思います。

思えば、ぼくたちが活動でご一緒したのも、
どこかしらで、ぼくたちの活動紹介したのを部下である職員さんがお聞きになって、館長さんに相談したことがきっかけでした。

この職員さんの想いを汲みながら、活動を通じての成長のチャンスを得ていったような感じでした。
(現在では、この職員さんも、別の地域で館長をされてらっしゃいます!)

そして、それぞれの活動の意義を明確にしていき、
活動の連続性を持たせて、活動と活動を繋げていかれていました。

なので、それぞれの活動が単発にならずに、
ちゃんと繋がっていって、
点の活動のようであり、
見事に線や面になっていきました。


ぼくたちがご一緒した活動が、
こうした線や面になって、現在まで脈々と繋がって、大きな成果となっていることが、とてもとても嬉しかったです。


④振り回される能力

この館長さんがおっしゃいました。

「頑張ったのは地域の皆さんで、私は振り回されるばっかりなんですよ~」

実行部隊は地域住民の方々なんですが、
要所要所で、館長さんが繋ぎ役として、色んな方々や関係機関と調整や根回しをしておられました。

協働する地域の皆さんが盛り上がれば盛り上がるほど、館長さんがブンブン振り回されるのが目に浮かびます(笑)

そして、昨日話していて思ったんです。

『振り回される力』も大切だなと(笑)

まさにハンマー投げのように、先端に重りがしっかり付いてるから振り回せるんですよね。
ただの紐だったら振り回せません。

この重りのついた地域づくりのキーパーソンが、
より速く、
より円を大きく、
振り回されている姿に、
この地域の活性化をみました。


今年度が、最後の5年目であるこの館長さん。
この5年の間に、素晴らしい地域づくりを達成してこられました。

地域の人財が輝き、どんどん活動が生まれています。
とても素晴らしい、『地域づくりのキーパーソン』です。


今日もご覧いただきありがとうございました。
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