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想定最大規模の台風が直撃しても、絶対に誰も死なないまちに!

昨日、北九州市門司区の白野江市民センターにて、
白野江社会福祉協議会主催の集まりの場において、防災まちづくりに関する講座を実施いたしました。


今年度、この校区では、5カ年計画の第二弾となる、『小地域福祉活動計画』を策定してきました。
その策定会議は3回にわたりまして、そのコーディネートもぼくが担当させていただきました。

【第1回:9月】

【第2回:10月】

【第3回:12月】

とても議論の時間が限られてはおりましたが、皆さんからご意見をいただきながら、そして校区の実情や課題を表面化しながらの計画策定となりました。
その後、ぼくが計画書に書き出す作業が随分と遅れてしまい、とりまとめをされている区社協さんにはご迷惑をおかけしました。

その後、ぼくが書いた計画書をもとに、区社協さんで、A3両面1枚ものの概要にキレイにカッコ良くまとめてくださっており、とても素晴らしいです。

計画が策定されて、最初のお披露目ということもありますし、
この日は、校区社協主催による『福祉協力員』さんを対象とした研修会のような位置づけです。

民生委員さんや、町内会長さんたちもご参加くださっておりまして、計画のふり返りとして改めての確認からスタートしました。

冒頭:会長さんご挨拶、宗像市からも視察に来られました


この小地域福祉活動計画は、(我ながら)とっても素晴らしい作りになっておりまして、
〇課題の表面化・具体視
 ↓
〇重点課題の設定
 ↓
〇重視する日頃からの取組み

と言う構図になっています。

この計画策定前の下準備として、校区住民に対してアンケートを実施されております。
そのアンケートから、自然豊かなこのまちにあって、自然との共存のひとつである『災害』への、不安・心配・危惧があることが表面化しました。

不安はあるものの、どうしたら良いか分からないという、実効性が伴っていない現状も分かりました。

『福祉のまちづくり』を考えていく計画ですが、非常時の『災害』をしっかり意識していくことが、暮らしを守ることでもあるため、『防災対策』を重点項目とすることにしました。

こちらは、ぼくが準備したスライドですが、日常の対比に非日常があります。

日々の暮らしのなかに、非常時での災害が起きてしまいます。
福祉の活動というのは、日常の暮らしのなかでの課題や取組みです。
一方で防災対策というのは、あるかないか分かりません。非日常への対策です。
相反するような事柄ではありますが、双方を取組んでいくことで、双方に良い影響があるものと思います。

日頃からの見守り合いや支え合いや住民の繋がりは、防災対策にも必ず活かされるものと思いますし、
多世代にわたる校区住民の共通のテーマとして災害や防災を据えて、考えて取り組んでいくことは、日頃の福祉活動へも良い影響をもたらせていくものと思います。

この関係性について、この小地域福祉活動計画では、明確に記載しております。

また、日頃の『福祉のまちづくり』において、意識していくことで、3つの具体的な活動目標・方針を掲げています。

福祉活動において
①組織体制の充実、安定・継続した場づくり
②つながりづくりや参加しやすい雰囲気づくり
③多世代交流の場づくり

活動を継続していくため、母体となる組織や集まりの安定性や効率性を高めていくことは重要です。
また、人が繋がっていくためにも、入りやすい雰囲気づくりも大切です。
そして、若い世代を含めた、多世代の地域づくりを意識していこう!というものです。

これらの意見も、会議のなかで、皆さんの発言を汲み取ってまとめたものです。

さて、重点項目とした防災対策について。
特に、このまちは、すぐ目の前、東側に海があります。

最大想定による台風が直撃した場合に、とんでもない『高潮災害』が起きる可能性があると、ハザードマップに示されております。

現実的にあり得なくもないのが、災害対策の恐ろしいところです。

「まぁ、こんなこと無いよ」
「こんなのが来たら、もう無理」

なんて言ってたら、このまちで何人の人が亡くなってしまうか・・・
本当に恐ろしいです。

この対策について、みんなで考えて、話し合っていこう!!っていうのがこの会議での一歩目です。


考えたくもないほどの想定ですが、ぼくも、そこは心を鬼にして、皆さんに喝を入れつつ、考えていただきました。

皆さんの真剣さが、ぐっと高まってきているのを感じました。

「こんな想定の台風が来たら、もう助からん!校区の外へと全員が避難せんと助からん!」
そんな議論が現実味を帯びていきます。

みんなで避難しよう。
でも、誰も取り残さない。誰も死なせない。

みんなと情報を共有して、連絡を取り合って行動したい。

そのためには、どうしたら良いのか?それも皆さんに考えていただきました。

町内会組織の活用と連絡網。
民生委員さんや福祉協力員さんが例えば一人暮らしの家庭への連絡をするとか。
でも、個人情報の壁や、町内会に入っていない人との接点の問題。

課題は山積みです。

でも、こんなとんでもない台風が万が一直撃しても、誰も死なないまちづくりを目指します。
そう考えると、日頃からのつながりづくりや、見守り合い支え合いの課題へと戻ってくることを感じました。

最後に、日頃からどんなことを取組んだら良いのかも話し合っていただき、皆さんからご発言いただきみました。

・実際に連絡網をつくって実践してみた。
・町内会で住民台帳を作った。
・人に会う機会を大切に。
・やっぱり町内会は人が繋がるチャンス。
・2~3軒とかで小グループを構成していきたい。
・今日の話題を次の町内会会議でみんなで考えたい。

などなど、とても前向きで素晴らしい意見が次々と出てきました。
また、先行的に、とても素晴らしい取組を既に展開されている町内会もあり、刺激を受けます。


日頃の福祉のまちづくり。
とんでもない災害が起きてしまいそうなときの対策。

表裏一体となったもので、
このまちで、
何があっても、絶対に誰も死なさない。

とても大きな目標ですが、これに継続してチャレンジしていくと、計画にも記載されております。

大変な道のりだと思いますが、間違いなく、その一歩目を踏み出されています。


会長さんが冒頭のあいさつでおっしゃっておりました。
「不安を拭い、安心へと変えていって、住み良いまちにしていきたい」

このまちを愛しながら、人が繋がり、安心して暮らせるまちづくりへと歩みを進めています。



今日もご覧いただきありがとうございます。


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