「MBAは取得は無意味」という記事をみて

MBA取得で成功した起業家は一人もいない

https://president.jp/articles/-/26350?page=1

という記事の無料部分だけ読んで思った事を下記にまとめる。

まず「成功」の定義はなんなのか?そしてそれは誰に対して有効なのか?が明確にされていない。
そして、その明確ではない「成功」と呼ばれているものに「MBA取得」は無意味であるそうで、無料記事の部分にはその理由が書かれている。

その理由は、
①世界的に成功した起業家である、ビルゲイツやスティーブジョブス達はMBAは持っていない。
②論理的思考などのビジネススキルを学ぶことができるが、それは差別化には貢献しないし、現場でも役立つことは少ない。
が成毛さんが主張する主な理由と自分は認識した。

そして、それを補強として、
③成毛さんがビジネススクールで教えていた生徒に「MBAは役に立たないよ」と言ったら生徒も後で「そうかもしれません」といった。
④ビルゲイツも起業の話を聞きに来た人達に対して、「そんな無駄なことをしていては成功できない」というような意味のことを言っていた。
という小話が書かれていた。

ここまででご注意いただきたいのは、「記事の無料部分しか確認していない」、「正確に引用していない」、「僕の解釈」によるバイアスが上記の説明文には含まれていること。
これを前提に以下に僕の論を進める。

①に関して。
まず述べられた有名起業家は全体の一部にすぎない。もっと探せばMBAホルダーの成功した起業家はいるかもしれない可能性がある。
それから、述べられた起業家にMBAホルダーがいなかったとしても、未来のことはわからない。世界の情勢、常識が変われば、成功する起業家の中にMBAホルダーが増えてくるかもしれない。また、世間の「成功」の定義も変わる可能性もゼロではなく、そうするとこれまでは「成功」と認められていなかった状態が「成功」になる可能性もあるといえると思う。

②に関して。
仮に、「差別化にはつながらない」を真とした場合でも、MBAで習う内容すら知らない人たちにとっては、MBAで学習することで、少なくとも、それが既知の人たちに差別化されていた溝を埋めることができる。(他者においつくことができる)
「現場で役立つことがすくない」に関しては、「差別化につながらない」にも言えることだが、まずそれらの根拠が見当たらなかった。
それから、「現場で役立つことがすくない」と言っても、現場にもよると思う。具体例が一つでも挙げられていれば、想像しやすいように思う。
「現場で役立つことがすくない」という結論は「現場(環境)」と「その人(主体)」の少なくとも2つの要素の働きによって導き出されるものだとしよう。すると、MBAの知識の受け皿である主体が、その知識をそのまま現場で使おうとするなら、「現場で役立つことがすくない」という結論になることがたくさんでてくるように思う。なぜなら、MBAで習う知識はいつでもどこでも通用する万能なものではないからだ。もしそうなら「成功」と言われるものを手にしているMBA取得者はもっといると認識されているだろう。大学という場所で実施されていることもあってか、受講者の中には、今習っているのは普遍的知識だと勘違いする人も一定数いることが予想される。そういう人は、習った事をそのまま使おうとするが、自分がいま置かれている現場と、ケーススタディで習った事例は違うことが多いので、習った知識を活かすことができない。
つまり受け皿の問題とも言える。
習った知識を現状に合わせて自分でカスタムしたり、知識を組み合わせて解決策を創造できる下地があるなら、ビジネスをしていてビジネスに関する知識の習得ができるMBAは意味がでてくるのではないだろうか。
また、MBAに行く目的は経営に関する知識の習得だけでなく、人とのつながる機会を得ることもできる。

③④に関して。
まず、権威者が言った意見が全て正しいとは言い切れない。
それから、MBAに行ったら、ビルゲイツやスティーブジョブスのような起業家にはなれないかもしれないけど、年俸数千万の金融会社の社員にはなれるかもしれない。前者のみを「成功」という人には、この場合はMBAに行ったら「成功」できないことになる。しかし、後者のような年俸数千万も「成功」と捉えるなら、MBAに行くことでそれが得られる確率は行かない場合よりも高くなる場合もある。

あとは学歴ロンダリングが目的の場合も意味ができる。
高卒やFラン大卒の人が、有名大学のMBAを取得することで、Facebookのプロフィール(or Linkdin??)の見栄えをよくすることができる。

最初にも書いた「成功」の定義が明確でないのと、想定されるMBAに行く人の具体性が欠けた状態なので、このような感想になった。

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