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星を掬う / 町田そのこ

ネタバレありきなので、未読の方はスルーを。

最初、読み始めたとき、またDV男の話かよ、と思って、どうかな、と思ったのだけど。
私が今まで読んだ、町田そのこさんの本

あれ、この2冊だけか。
そういえば、52ヘルツのクジラたち、映画化されるね。

で、この小説の話に戻る。
いやーーー、読み進めるの、しんどかったーー!!!
自分が子どもの頃の記憶、メッチャ思い出した。
それと、もう、このnoteで繰り返し言っている、ヘリコプターペアレント。
どっから話せば通りが良いだろうか、、、

なるほど、、、
町田そのこさんの小説読んでるのに、あれ?誰の小説だっけ?って、すごい思って。
凪良ゆうさんも、辻村深月さんも、過干渉な親のこと、書いてたのか。
だから、どういうバックボーンを持った作家さんだったっけ、って、めっちゃ混乱して。
こんな風にいろんな作家さんが取り上げるくらい、特に母と娘の過干渉って、今、問題になってるんだろうな。

ちょっと、これもまた違うのだけど、前に、娘の彼氏は自分の旦那より、ちょっと下を好ましく思う、みたいな記事を読んで。
だから、娘が自分の旦那より上(それも、どういう尺度なんだろ、って思うけど)の彼氏を連れてくると、付き合うのを反対する、っていう。
これって、すごくフレネミーな感じで。
親密に振舞うけど、相手の不幸(少なくとも自分よりは不幸)を願っている感じがして。
自分の娘相手に、そんなの、どうかしてる。

それと、親から、どうするべきかを押し付けられる話。
千鶴の小学校の入学式の靴の話。
ベロアの靴と、プリキュアの靴、どちらを選ぶか。
ベロアの靴を履こうしたら「違うよね?」って、ママから言われる。
でも、確かに、こういう特別なイベント、大人になっても覚えてるんだよなー。
私は、小学校の入学式、グレーの綺麗なツイードの靴だったんだけど、サイズが合わなくて、ティッシュを詰めて履いたのだけど、雨が降っていて、上り坂、すごく歩きづらくて。
小説に戻る。
ただ、聖子さん(千鶴のママ)の悪質なところは、選択肢を出しておいて、千鶴が選んだ後に「違うでしょ」って、自分が選んだものを押し付けるところ。
選ばせるつもりが無いのであれば、最初から、この靴履いてね、で、良いはずなんだよ。
それならば、子どもも、なるほど、新しい靴を買う余裕はないのだな、で納得するし。

それと、親から押し付けられたものをどれだけ跳ね返せるか。
・・・私の両親は夫婦仲が悪くてw
もう、寝てるのに、小学生の頃よ、夜中に起こされて
「俺たちは離婚する、どっちに付いていくんだ?」
って聞かれたわ!!
自主性がここで醸成されたのか!!!(本当か?)
でも、確かになー。。
父親が、週末の夜、江の島に暴走族を見にドライブに行こう!って言って、わたしゃヤダ、で断ってたけど、弟は巻き込まれてたわw
その類いの父親の気まぐれに私も付き合わされることがママあったのだけど、その時の食事、弟、腹いせなんだろうね。
ラーメン屋ではチャーシューメンを、ハングリータイガーではリブアイステーキを頼んでたわ。
ハングリータイガー、このお肉です、って、焼く前にシェフが見せに来たもん。
浪費家の父親と、倹約家の母親。
私は、母に似たから、どんだけ外出、腹が立っても、リブアイステーキ、頼めなかったわw
チャーシューメンは1回チャレンジしたけど、お肉に飽きちゃって、いらないな、と。

話が反れた。
で、ママが千鶴を捨てる話。
どうなんだろうなぁ。。。

一つ。
親子とは言え、どこまで行っても他人なんだ、っていう割り切り。
もう一つ。
子どもは親を選べないし、親を愛する以外の手立てを持たない。
ああ、そういう意味じゃ、美保ちゃんは、自分から母親を捨てたのか。
捨てるっていう表現ねぇ。。。
正直、ここに、一つ、私が思う気持ち悪さがあって。
なるほど、聖子さんも、彩子さんもだな。
なぜか、親が、子どもに「承認」されたがってる。
いやいや、子どもは親を選べないのだから、承認もクソも、って思うし

親が子供に対して提供するものは、早寝早起き朝ごはん、だけで、本当に良いと思ってて。
子どもが母である自分のことをどう思っていたって、気にすることはないのに、と。

ちょっと話が反れるけれど。
先だっての3連休、寒かったから、近所のスーパー銭湯に行こうと思って、せっかくだから、夕飯も食べてこようかな、と。
で、下の子は温泉好きだし、私の母も誘って、行こうと。
ただ、上の子は、まぁ、思春期だし、髪が長くて、濡れた髪を乾かすのも面倒で、温泉嫌いで。
この日、旦那さんは夜、外に出る予定があったから、上の子、夕飯、一人になっちゃう。
で、一人でスーパーで夕飯買うか、一緒に行って夕飯食べるか上の子に聞いたら、一緒に行く、でも、温泉には入らない、と。
まぁ、休日に一人でスーパーの総菜の夕飯は、嫌だろうな、と。
娘二人と、私の母と4人でスーパー銭湯に行ったのだけど、私の母が、まぁ、上の子に、しつこく、温泉に入れ、と。
こういうのって、100%の親切心で、自分が良いものは相手にとっても良いものだ、って、疑わない。
でも、一般的に良いものと、自分にとって良いものって、絶対に違う。
私の子どもに対しての口癖は「まぁ、It's up to youだけど」なのだけど。
ひゅ~!気取ってる。
いや、日本語で「好きにすれば」だと、突き放した感じがするけど、It's up to youは、あなたが決めること、みたいなニュアンスを感じて。
あと、英語のidiomが増える!
結局、しつこく私の母が誘うも、上の子は、温泉に入らず、スーパー銭湯の漫画を読んで待っていたのだがw
でも、そういうことの繰り返しなんだよなー、と。
親が良いと思うことを、何のためらいもなく、押し付けて行く。
小説に戻ると、ママのねじれたところは、実は、その、押し付けている価値観も、自分の価値観と違うところ。
ママの口癖「わかる」ってのも、気持ちが悪くて仕方ない。
それに、例えば、自分が、誰かから、わかる、って言われても、私は、そんなに簡単に分かられてたまるかよ、って思うし、ちいとも嬉しくない。
そんな安い快感、全然要らない、って思う。

他人に期待された自分を、これはもう、演じるんだよね、きっと。
どうしてそんなことになるんだろ。
そういう意味じゃ、私、勉強だけは頑張ったけど、それ以外は、決して、親の思い描く子じゃなかったと思う。
もっと言えば、女の子らしさ、とも、小さい頃から無縁だった。
・・・これは、先天的なものなのかどうか。
両親の実家が鹿児島なのだけど、私が3歳ぐらいの頃、おばあちゃんの家、牛を飼ってて牛小屋があって。
親が親戚との集まりで夢中になっていたところ、あれ、私がいない、と。
びっくりして探したところ、牛小屋に入って牛糞をペタペタ触って遊んでいたのだと。
・・・おいおい、目を離しすぎじゃないか?
ここから、父の兄から「ダンプちゃん」ってあだ名付けられたりw
私の母も、母の価値観を押し付けてくるタイプだったけど、それに沿わなかったなぁ。
まぁ、つねられたりはしなかったからかなぁ。。
ほんと、先天的な素質と、教育による影響って、どこで分かれるんだろう、って、分からぬ。

でも、結局、大人になって、「母親」なんていう役割をしょわされても、自分も震えるほど幼い個人なんだ、って言い方もできるし、多分、そういうことなんだろうな、と。
だから、あれ、どこで読んだか忘れてしまったけど。
自分が母親だ、っていう認識を手放してしまえばいいのに、って思う。
たまたま一緒に暮らしている大人だから、面倒を見ている、ぐらいの。

ここら辺だな。
子どもは、かりそめに社会からお預かりしてる未来の財産だと思うし、「私」のものじゃない、っていうのは、ずっと思ってる。
・・・正直、ここまで書いても書ききれない色々があった小説だった。
いやーー、面白かった!!

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