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錆鼠の堀へ余寒の柳の葉

#俳句ポスト365 初・秀作いただきました。ありがとうございます。
今回のお題「余寒」は、映像を持たない季語です。明確な映像(もしくは五感によって感知しうる何か)を取り合わせて、「余寒」を表現しなくてはなりません。堀之内公園を散歩していた時に、ふっと見えてきたのが柳でした。そろそろ芽が出る頃なのに、いまだに枝に残っている古い葉がありました。堀の水面に落ちていく葉も。よし、これを一句に、と思いました。
悩んだのはまず、堀の水の色を何と表現するか、です。残念ながら松山のお堀は水があまりきれいではなく、濁った青緑なので、それを少しでも詩的に言えまいか?と思いました。それで参考にしたのが「日本の伝統色 和色大辞典」です。季語「余寒」と響き合ってくれる色を探しました。実際の堀の水の色を言うよりも、余寒の水の色だなと感じてもらえそうな色を選びました。
推敲は、語順に時間を割きました。堀(の水)、錆鼠(色)、柳の葉、余寒、これらをいろいろ並べ替えて、最もしっくりと余寒がはまる位置を検討しました。結果、「巧みな句」と評をいただけました。
地味ながらも、佳いと師から評価をいただけること、それは私にとって重要なことです。私たちは広大な言葉の海を俳句という名の小舟を漕いでいるようなもの。指針とすべきは師の評価でしょう。詠みたいと思ったものやことを的確に十七音に落とし込む、それが詩になっている、目指すのはそこです。思うまま詠めるように日々自身の心と五感と俳筋力を鍛えていくほかありません。
私が作句の際に参考にするのはまず歳時記、そしてYouTube動画ですが、「参考にするサイトなどがあればまとめてほしい」とご要望いただきましたので、以下に列挙します。お時間ある時にのぞいてみてください。けっこう楽しいと思いますよ。

色彩と色目
桜図鑑
日本の鳥百科
漢詩
数え方単位辞典


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