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「ロールモデル」と「憧れ」は違う

研修や面談で企業に伺うと
人事担当者の方から時々聞かれる
「良いロールモデルがいなくて」
という言葉。

女性活躍推進中の企業では
「女性管理職のロールモデルがいない」

年功序列から
成果主義に切り替えた企業では
「年下上司のロールモデルがいない」

人材不足で店長の若年齢化が進む
小売業では
「若手店長のロールモデルがいない」

そんな声が聞かれる中、
ロールモデル本人も困っています。

研修終了後、ご相談をいただきました。
(プライバシー保護のため、内容は
事実に基づきィクション化しています)

20代後半、店長なりたて。
思いがけず早く店長に抜擢された。
本社からは若手店長の
ロールモデルになるよう
期待されてるとか。
ところがスタッフ指導に取り組むが、
全くうまくいかない。
バイトスタッフはもちろん、
社員との距離も縮まらない。

話をよく聴いてみると、
自分がしてきた努力や学びを伝え、
成功した経験や方法を伝え、
モチベーションのあげ方を伝えている。

スタッフはどんな反応なのか尋ねると
「店長、すごいですねー」
「私はそこまで出来ないかも」
「店長だから出来るんですね」
と、口々に言うらしい。

「尊敬してくれて嬉しいけど、
出来るようになって欲しいんです」
と店長。
そりゃそうだよね。

店長はこのお仕事を始めた時から
今話してくれたこと出来たのですか?
と尋ねてみると

「いえいえ!ぜーんぜん!!
私も挨拶やアプローチは緊張して
本当に嫌だったし、知識もなかったから
何度もお客様を待たせて調べたり、、」

その話、スタッフのみんなにしました?

「、、、、いえ。してないですね。
うまくいかなかったこと話しても
しょうがないと思うし」

その話をしたとしたら、スタッフのみんな、
どんな反応しそうですか?

「えーー・・・どうですかね。でも、
今できなくても、できるようになるんだ、
とか、思うかも?」

素晴らしい気づきです!
さすが若くして
店長に抜擢されるだけあります。

はい、こんはふうに。
ロールモデルは「デキル人」
と周囲も本人も捉えていることが
本当に多いです。

でも、良いロールモデルとは、
デキル人、立派な人、成功した人
ではないと思います。

昔は出来なかったけど今デキル人。
昔はポンコツだったけど、今立派な人。
めっちゃくちゃ苦労して成功した人。
こんなロールモデルは
これから成長する人たちにとって
実現可能なリアル・ロールモデル。
一番お手本になります。

出来なかった苦労があるから、
出来ない人の気持ちや状況を
ちゃんと理解して指導ができる。

今、出来ないけど
出来るようになるんだ!
という希望も与えられる。

あの人ってすごい!!
という「憧れ」と
「ロールモデル」は違うんですね。
ここ区別しておいた方がいいよなぁ、
って思います。

仕事でも、勉強でも、子育てでも、
「憧れ」と「ロールモデル」は別。

ロールモデルを探している人!
今の自分と同じような経験をした人が
ロールモデルだと、理想とのギャップに
苦しむことなく、やる気と勇気が
湧いてきますよ!

ロールモデルになれと言われた人!
成功体験やハウツーは
相手によっては役に立たないことも。
それより失敗談や苦労話をしてあげて!
そしてよく話を聴きましょう。
これまた部下、後輩の
やる気と勇気を引き出せます。

最後まで読んでくださり、
ありがとうございます!
今週もハッピーな1週間を🎵

☆☆☆

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