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ゾロ目が縁起良いなんて誰が言ったんだろう。(エッセイ)


全くの見ず知らずの相手と、
顔を見合わせて「わあ!」と言い合った
なんていう経験がありますか?


わたしはあるんです。

書店員さんと、なんですが。


カメラロールを整理していて
ある1枚の写真を見た瞬間、
その日のことが鮮明に頭の中に蘇りました。



2019年、寒い寒いある冬の日。
バレンタインデーの3日後、
日曜日の夜だった。

わたしはものすごくストレスが溜まっていて、
そのまま月曜の朝を迎えられそうになかった。

当時わたしは高島屋大阪店まで
歩いて15分程のところに住んでいた。
約10日間後の2月末に引っ越しを控えていて
かなりバタバタしていたこともあって
当時抱えていた色んなストレスに加えて
さらに引越し準備などで疲れも
かなり溜まっていたのだろうと思う。

ストレスを少しでも発散したいけど
忙しくてゆっくりすらできない…!
そんな状況の中、


「そうだ、本屋さんへ行こう、
本屋さんへ行って気になった文庫本を
値段なんて見ずに片っ端から買うんだ!」


そう突如思い立ち、猫さんに
「少し出かけてくるね、すぐ帰ってくるからね。」
と言い残し家を飛び出して、
高島屋へ早歩きで向かった。

本屋さんの前にどこかへ寄った気がするけれど
なぜかその部分は全く覚えていない。笑

高島屋大阪店にある丸善は、
コロナ禍以降は20時までの営業に
変更されているようだけれども、
この時は確か21:00だったような…?
20:30かな?
レシートの時間が20:13なところを見ると
おそらく20時よりは遅い時間まで
営業されていたように思う。

本屋さんに着いて、
確か30分ほどで16冊の文庫本をカゴに入れ
レジへと向かった。

お会計をしただけ、のはずだった。


気がついたら書店員さんと顔を見合わせ
「わあ!」と言い合って手を叩いていた。


念のため一部画像を処理して
載せようと思います。

11,111円。
猫を引き取ってしばらくした頃だったわたし、
当時猫型の携帯ケースを使っていた。
猫型の影が何重にも…笑


別に大したことではないのだけれど笑

「11,111円」という、
1のゾロ目のお会計だった。

お財布からお金を準備しながら
合計金額がパッと表示された瞬間、
思わず顔を見合わせて「わあ!」と、
2人で手をパチパチと叩いていた。

今想像したら
なんだかとてつもなく平和な光景だ。笑

「こんな合計金額初めてです!
なんか良いことありそうですよね!」

そんなようなことを言われて
なんだかそんな気がしてきた。
人間ってやつは単純なものだ。

ゾロ目なんていうくだらないことなのに、
爆発しそうだったストレスもふんわりと
どこかへ飛んでいった気分になった。

そして沢山の本を持ってご機嫌で…

帰るはずの帰り道は、
たった15分弱の距離を持つのも
嫌になるくらい重かった。笑
なんでこんなに買ったんだって思いながら

きっと顔はニヤニヤしていたはずだ。


そんな、
5年前のある日の出来事を
ふと思い出させてくれた1枚の
なんてことないレシートの写真。



それでは今日はこの辺で。


最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。






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