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バズってその後ツイ消しした理由

みんなが話題にしているツイートがあった。だが元のツイートが見つからない。
どうやらツイ消ししたようだ。

そんな事が時々ある。
今日もそういう事があったので、私が「ツイ消しするほう」だった時のことを思い出した。そして、なんとも言えない気持ちになったので、ここにて発散する。

何年も前の事だが、契約書の事について書いたツイートがバズった。
『契約書はちゃんと読もう、こういう内容の契約書には注意、相手に悪気がない場合も多いのでこういう交渉のしかたをしよう。』
ざっくり言うとこんな内容を4つぐらいの連ツイで書いた。

実は同じような内容のツイートはちょくちょくしていたのだが、その時はタイミングが良かったのか、バズった。
たくさんの人が引用RTやリプを付けて、議論や経験談も盛り上がり、企業側の意見も聞けて、沢山の人が考えるキッカケになれたと思われた。
バズりに少々ビビりながらも、契約や交渉について周知されて良かったなーなんて思っていた。

しかし。
取引先のA社からメールが来た。
今バズってるツイートに書いてある内容がA社との契約に似ているというのだ。
私が例に出したのは、なにもA社だけのことではなく、ツイートも初めての事ではなかったが、たしかに契約書の文言で似通った言い回しの部分があった。
これは私のミスだなと思った。

メールを読み進めると、

●契約に関するツイートを消してください。
●ブログやnoteなどでは好きにしてくださって構いませんが、こういったツイートは控えてください。

…という内容。
その時、二つめが少し引っかかったが、その時は焦っていて何故引っかかるのかわからずに、
とりあえず一連のツイートを消した。

何故消したか説明したかったが、取引先が悪者になるといけないし、咄嗟にうまい説明も思いつかなかったので無言で消すことになってしまった。
(後から考えれば、取引先の事を言わなくても説明のしようがあったなと思うが、その場では頭が回らないものである…)

とりあえずA社に謝って、一連のツイートを消去したことを報告した。
重ねて、A社から「ブログやnoteでは好きに書いてかまいませんから」と返信がきた。

今まで、A社では、私と直接やりとりをする担当者には悪くされた事がないので、
言いようのないモヤモヤと引っかかりを感じながらも「書いてもいいって言ってるし、寛大な返事…なのかな?」とその時は自分を納得させた。

そして、しばらくしてA社都合により契約が終了する事になった。
その時のメールに、また引っかかることが書いてあった。
最初の契約書で交渉し変更した部分が、どうも変更されてない感じで向こうは話している。
1回訂正したが、話が通じている様子はなく、どうにも要領を得ない。

その時、バズった時の事を思い出した。
と同時に、ふと分かった。
「ブログやnoteでは好きに書いていい」
の引っかかりの正体。

「A社との契約内容に似ているから」が理由での削除依頼だったはずなのに、
Twitterだけがダメで他の媒体はいいなんて理屈はおかしい。

「ブログやnoteで書いていい」とするなら、
「契約内容が似なければ同じ主旨のツイートをまたしてもいい」となるはず。
そして、「契約書の文言に似ている」という指摘だけだったら、該当ツイだけ消せばいいと思っただろうが、「ブログやnoteでは好きに書いていい」と言われたのでツイートの方は一連で消さないといけない気になったのだ。

そういえばバズった時は、A社が契約している他の事業者アカウントも沢山反応していた。
Twitterで拡散されたのが問題だったのであって、私の大した事ないブログでは拡散されないだろうから好きにしろ、と、そういう事だった…?

最初の取引の際、A社が最初出してきた、こちらが一方的に不利な契約書には、これにはきっと悪気がないと、その時は思った。
企業が顧問弁護士の言われるまま契約書を作ってそういう契約書になってしまっていることがあるのを経験で知っていたから。
だから交渉して変更した。

でも後々、その変更は無かったみたいに振る舞われた。

いや、そんなつもりじゃなかったのかもしれない??
私と直接関わった担当者はいい人だったから、良く受け取りたい。悪く思いたくない。

でも、契約はその担当者と結んだのではない。
会社と結んだのだ。契約は契約。ビジネスだ。
そこに情を挟むべきではない。

いい人な担当者と最初に関わったことで、私はなんとなくA社に「いい企業」のフィルターをかけて
良く捉えよう、良く捉えようとしていたところがあり、時々引っかかる事があっても
波風を立てぬよう気にしないようにしてきた。

でも、変更したはずの契約内容を変更してないように振る舞われて、そのまま一方的に契約が終了して、ハッキリ分かった。

私は大切にされていなかった。

契約内容の変更を交渉したり、契約書の事で他の事業者が知らなくていい知識を付けたりして、
なんならウザかったのかもしれない。

これまで、最初にこちらだけ一方的に不利な契約書を出してくる企業も
基本的には「悪意がない」前提に立っていた。
その方が、トゲトゲしい言い方にならないよう気をつけて言葉を選べるからだ。

ビジネスなのだ、性善説みたいな前提を作ること自体間違っていた。
よく考えれば当たり前だが、この経験を通して強く心に留め置きたい。

個人対企業だと、どうしても契約の時に不利感がある。
はーあ、お金持ちなら顧問弁護士を雇って、契約の交渉をしてもらうのになー。

何年仕事をしていても、苦手な分野である。




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