プロポリススプレー

父の遺品整理をしている。

文字に書くのは初めてで、親族以外と父の死について話したことがないので、実際に文字で見ると胸がぐっと苦しくなる。ってこういうこと。

家族と話す父の不在は、悲しみや喪失ではなくて、入院の手続きや葬儀の手配、様々な名義や口座変更。
感情を共有するには、現実味がなくて、生々しい。

クレジットの処分のために請求を確認して、不要なものの解約リストメモしたり、請求があれば引き落とし口座の残高があるかチェックしたりしている。

ここまで漕ぎ着けるのに2ヶ月。なかなか早い方だと思う。これが夫だったら、子供との生活、仕事、家事で全く手をつけることができないんじゃないか、人がいなくなったあとにやることは本当に山積みだ。

クレジットの明細を見ていると、父の生きていた、確かに生活していた姿が浮かび上がってきて、悲しむ時間なんて見ないふりをしていたのにどうしても感傷的になってしまって、なかなか進むことができない。
あそこのスーパーで買い物していたんだな、遠いけど体力維持のために散歩に行っていたのかな、ポイントを上手に貯めていたんだな、何買ったなんだろ、納豆は毎日食べてたな、あんなに健康に気を遣っていたのに。

本当に悲しい。
父の具合がよくない、家族で病院に説明を聞きにいかないといけないけど来られる?と電話できいたときに号泣したあとは、思っていたよりも時間をかけてお別れをできたと思っていたのに。
現実に忙殺されて、されたふりをして、考えないようにしていたのに、いなくなった人の痕跡をたどりながら整理をしていくことの辛さを感じています。

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