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140字小説【タンポポ】

作家になる夢を追う夫。でも花を咲かせるどころか芽の出る気配もない。作家の世界はそんなに甘くないのだろう。石の上にも三年と夫は言うけれど、石の上では根も生えない。だから私はそのまま腐ってしまいそうな夫を手のひらに乗せ、次こそ芽が出ますようにと息を吹きかける。夫はまるでタンポポの種。

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