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140字小説【奈落】

「垂らしてくれ…」詐欺師だった男は穴の上に向かって力無く呟いた。穴の底までロープを垂らす鬼。ロープの端を輪にし、片足を掛けると掴まった「上げてくれ…」ゆっくりと上昇していく。しかし地上まであと少しの所でロープを離す鬼。「ぐわっ!」「もう一度ロープを投げろ。俺を信じろ」ここは奈落。

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