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【meets】#3 Pはかせ@探究横丁さん~誰もが持つ『探究心』を育むことが出来る”場創り”を突き詰めている人

インタビュー専門ライターのいろろです。
このマガジンでは、私とご縁があった方の魅力をインタビュー企画としてお伝えします。
今回は第3回目として、Pはかせ@探究横丁さんにインタビューをしました。

Pはかせ@探究横丁さん

Pはかせ@探究横丁さんがnote内で発信されている記事に共感し、コメントをさせていただいた事がきっかけで、今回のインタビューを快く引き受けてくださいました。

Pはかせ@探究横丁さん
理系の大学を卒業後、アパレルメーカーへ就職し、店長やバイヤー業務を経験。
社会人5年目に『小学校の先生になりたい』という気持ちを強く抱き、業務に慣れてきたアパレルメーカーを退社。
教員資格取得のために再び大学へ入学し、塾講師をしながら3年通い、無事教員免許を取得。
教師として採用試験に合格し、渋谷の小学校(2年生)を受け持ち教員生活がスタート。
公務員として教育現場で11年の経験を通して、「探究学習」の重要性を、身をもって体感。
2022年3月、学校の先生を卒業し、『ワクワクする心に従い、好き放題「夢中」になれる場所』として、『探究横丁』を青物横丁(品川)に開設。

【探求横丁】:代表
・HP:https://tankyuu-yokochou.com/
・Instagram:https://www.instagram.com/tankyuu_yokochou/
・note:https://note.com/tankyuu_yokochou 

探究横丁とは 
ワクワクする心に従い、好きなだけ「夢中」でいられる場所
✓探究学習(自分の好きなことを研究)
✓アウトプット(世の中に発信)
✓理想の人間関係を築き社会に貢献!
✓ルールやマナーづくりは自分達で!
✓好きな時間に、好きな場所で!
✓フリースペースとしても利用可!

探究横丁のHPより

■強いイメージを持ち即実行、目標を達成するために行動するのみ

ーーー小学校の先生を目指したきっかけを教えてください。
社会人5年目のアパレルメーカーで、店長やバイヤー職などの業務にもひと通り慣れてきた頃に、この先ずっとこの道を進んでいっていいのかと考えるようになりました。
自分の将来の事を改めて考えた時に、『ずっと夢だった教員になりたい』と強く想い転職を考え始めました。
周りには反対する人も沢山いましたが、自分が先生になる姿をどんどん鮮明にイメージするようになり、アパレルメーカーとは全く違う『小学校の先生』に転職する決意をしました。

ーーー小学校の先生になりたいと思ったのはなぜですか。
小・中・高と学校に通うのが好きで、学校生活には楽しい記憶が沢山ありました。
ガチャガチャなどで学校の教室にあるもののフィギアを買って、家でも並べたりしていました。
ーーー学校の教室の中にいた記憶が、楽しい想い出ばかりだったんですね。
教員のなり方を調べないまま退職して、教員になるためには「教員免許取得」と「教員採用試験合格」が必要だと知った時は驚きましたよ。
でも、明確な目標があったので、3年間の大学生活や試験のための勉強も、目標に向かって着実に進んでいると思うと楽しめました。
早く「先生」って呼ばれたいと思って頑張っていましたね!

ーーー大学時代に教職課程はとっていらっしゃらなかったんですね。
大学時代も教員には憧れていましたが、自分が目指せるものだと思っていなかったですね。
理系の大学で、男ばかりで暗室の理科室にこもって研究することが、私には苦痛でしかありませんでした。
なんとかその状況を抜け出したいと、卒業した後の就職先は全く別の世界に行きたいと思っていました。

ーーー確かに、苦痛を感じた環境とは真逆の、婦人服のアパレルメーカーに就職されていらっしゃいますね。
そうですね、就職先にアパレルメーカーを希望している学生は周りには一人もいなかったです。
当時も反対されることはありましたが、自分が売り場に立って楽しそうに働いているイメージを常に持っていたので、就職活動は迷いなく行動出来て、憧れの婦人服のアパレルメーカーへの入社が叶いました。

ーーー目標が定まった時に、目指す状況に立った時のイメージを、くっきりとした情景で想像する力に長けていらっしゃるんですね。
「こんなことがしたい!」と思った時の「ワクワクする心」は、探究学習を進める上でも大切な事なので、『探究横丁』でもみんなが好きなことに夢中になれる場にしていきたいです。

■教員生活の中でこれからの教育の本質に気付き、「探究学習特化型」という自らの授業スタイルを確立

ーーー「探究学習特化型」の授業スタイルが確立された経緯を教えてください。
教員生活5年目の時に、小学校の校長先生からの指名で「教師道場」に通い始めました。
「教師道場」では自分の授業力を上げたいと思っている教員が、別々の4校から集まり、お互いの授業を見たりして学んでいました。
最初はあまり乗り気ではなかったのですが、そこで素晴らしい先生との出会いがありましたね。
その先生は教員を退職された年配の方で、「これからの教育は子供主体の授業が大事になってくる」と教えてくださいました。
その考え方を教えてもらい、当時の私は子供主体の授業にしようと取り組んでみたのですが、その先生からは「教師主体の授業だ」と言われてしまい、頭をゴーンと叩かれたくらいの衝撃がありましたね。

その後に「教師道場」に通っていた同期の授業を見る機会があり、その授業が私の行っていた授業スタイルとは全く違うことに驚きました。
その同期は、「授業は子供が主役だ」とよく言っていて、実際の授業でも子供がちゃんと活躍していました。
その授業を見学してから、「自分の授業でも、子供の主体性を大事にしていこう」と決め、実際の授業で実践していきました。
今でもその気持ちを大切に忘れないようにしていますね。

ーーー子供の主体性を意識した授業づくりで、大切にされていたことはどんなことですか。
今でも多くの教員はしてしまいがちな事なのですが、先生が中心となって授業を進めていくと、子供の主体性はなかなか発揮されません。
だからといって子供達に自由に授業を進めてもらうと、まとまりがなくなり大変な状況になってしまいます。
そこで私が大事にしていることは、子供達と一緒に『授業のデザイン』をしっかりすることです。
ーーー『授業のデザイン』とはどんなことですか。
子供達中心に授業を進めていくためには、最初に私が中心となって授業の計画をみんなで考えていきます。
そのことを『授業のデザイン』と呼んでいて、これがとても重要なんです。
授業の最初に『授業のデザイン』をするときは、みんなと一緒に考えながらしっかりと計画を立てていきます。
ーーー『授業のデザイン』は具体的にどんなことをやっていたのですか。
例えば国語の『ごんぎつね』の授業の時は、授業を始める前に、『ごんぎつね』ではどんなことを学びたいかをみんなで一緒に考えながら意見を出してもらいました。
そして、最後の授業では「音読発表をしたい」と決まったら、最後の授業までに何をしたらいいかをまたみんなで考えました。
すると、「音読発表する時には、色んな感情を知っていたい」という意見が出たりします。
いろんな意見を出し合いながら、班を作って進めていくのかなども含めて細かく決めていきましたね。

ーーー最初にみんなで授業の目的を共有するんですね。
そうなんです。クラスの一体感も出ますし、授業を進めていくための色んなアイデアが出てきて、みんな楽しそうですよ。
そして『授業のデザイン』が出来たら、子供達中心に授業を進めていきます。
私はその様子を見守りながら、色んな視点から観察し、子どもたち一人ひとりに対しての褒める言葉を、みんなの前で盛大に伝えていきます。

ーーー意見が通る子や目立つ子だと褒めやすいと思うのですが、声が埋もれてしまう子も出てきたりしませんか。
自然に目立つ子は、やっぱり表に立つことが向いているので、特技が分かりやすくて褒めやすいですよね。逆に、静かなタイプの子は裏方の役割で力を発揮することが多いので、私が見つけてみんなの前で盛大に褒めます。
そうすると、みんな自分では気づかなかったその子の凄さに気付くようになり、友達同士の良いところを見つけるようになります。
ーーー裏方の役割ってなかなか気づかれない部分だと思うので、みんなの前で褒めてもらえたら、その役割の重要性が認識してもらえるのでいいですね。
あとは、まだ秀でた何かを発揮できていない子に関しては、振る舞いなどに注目してじっくり観察し、みんなの前で良いところを褒めていくと、みんなの個性がお互いに活かせるクラスになっていきますね。
ーーー子供に授業を任せることで、自然に表れる個性を見抜いていらっしゃっるんですね。

■『探究心』が強い生徒と、理科室を超えて関われる場所を創る

ーーー『教えない理科』という独自の授業スタイルを詳しく教えてください。
『教えない理科』は子供と話しながら確立していった授業スタイルだったんです。
テーマだけ決め、子供達が自分で実験内容を決めたり、問題も自分で作ったりしていました。
材料や器具などは、理科室のどこからでも探して使っていいと伝えていて、
私がしていたことは時間制限があることをちゃんと伝えることでした。
あとは理科の場合は最後に発表の時間を設けていたので、発表もチームでやってもいいし誰とやってもいいと伝えていましたね。
生徒はタブレットを1台ずつ持っているので、それぞれ調べながら進めていくのですが、安定の道を歩む子は教科書を見始めて進めていましたね。
逆に教科書は見ないと決めて、やりたいことから決めて「この道具ありますか」と聞いたり、「家から同じような道具を持ってきていいですか」と提案したり、場所も理科室だけではなく、廊下や体育館などに行っている子もいたりと、色んなアイデアを考えて実験をしていました。
そんな子供たちの姿を間近で見ていて、「君たちの探究する力はなんだ!」「その探究心はどこからくるんだ!」といつも驚いてしまいました。
ーーー褒め言葉の中でも『探究』という言葉をよく使っていらっしゃったんですね。
そうですね、自然と『探究』という言葉をよく使っていて、『教えない理科』の授業を通して、探究学習の重要性を感じていました。
子供たちの発表はとてもレベルが高いので、是非今度見に来てください。
この前、大学生の子が見に来て、大学のレベルとは全然違うと感心していました。
子供達は1時間目の授業から発表に向けて進めているので、発表まで探究心が途切れることがないんですよね。
子供達が発表に向けて行動している姿を見て、やりたいことさえ決まっていれば、突き進むのが子供だなと、実感しました。
そう思った時に、理科だけに限定することなく、子供達の探究心を発揮できる場を創りたいと考えるようになり、『探究横丁』を創ろうと思いました。
教室での発表の相手はクラスの子達だけだったのですが、『探究横丁』では世の中全体に発信できるので、探究学習の良さを世に広めることが出来ると思っています。
『探究横丁』から実際に行われている探究学習を発信していくことで、子供達と一緒に探求学習の重要性を証明していきます。

■探求学習についての良さを知ってもらい、同じ志を持った仲間と『探究横丁』を盛り上げていきたい

ーーー「探究横丁」に入会できるのは小学5年〜高校3年生までですよね。
はい。5月は無料期間で、6月から本格的に入会した子達が通ってきます。
ーーー入会が決まっているのはどんな子ですか。
3年間教えていた生徒たちが10人くらい入会してくれました。
保護者の方も信頼してくださっているのが、ありがたいですね。

個性溢れるメンバーが揃っていて、先日も夢のある話を沢山していました。
どんなキャラクターにしようかなということで、凄い盛り上がっていましたね。
これからの活動は、私も楽しみでしかたないです。
子供たちのプレゼンは本当に素晴らしいので是非実際に見に来てください。
ーーー個性あふれる子供達にインタビューさせていただきたいです。
子供にインタビューするのもいいですね。子供たちもとても喜ぶと思います。

ーーー「探究横丁」への入会は高校生までですが、note内の月額サブスクで「大人の探究横丁」を始める予定をされていらっしゃいますね。
はい。先日書いたnoteの記事に200スキが付いたらサブスクを始めます!
探究心あふれる子供達を増やすためには、「大人が探究学習をしていること」がとても重要なことだと考えています。
教員時代に大人の主体性について課題を感じていたので、探究学習を積極的に取り組んでいる大人の方とはどんどん友達になりたいです。
同じ志を持った仲間が、学びについて語る場所として、まずは私が生まれ育った青物横丁(品川)に「探究横丁」を構え、探究で盛り上がっている町として認知されるようになったらいいなと思っています。
学びでこの町を活性化していきたいですね!
そして、リアルだけでなく、オンラインでも繋がれる様な取り組みも構想しています。
仲間を集めてチームを作り「探究学習」の良さを広めるためにいろんな挑戦をしていきたいです!

■ご紹介(HP、note、Instagram)

【HP】

【note】

※↑ 200スキ達成後、月額サブスク「大人の探究横丁」スタート!

【Instagram】

https://www.instagram.com/tankyuu_yokochou/

編集後記

11年の教員生活を卒業し、今年起業したばかりのPはかせ@探究横丁さん。
noteの記事でも熱い想いを発信していらっしゃたのを拝見していたので、どんなインタビューになるかワクワクしていました。
サービス精神が旺盛で、明るいお人柄のPはかせ@探究横丁さんは、
スタートから『探究横丁』の様子をカメラで映る様に移動しながら見せてくださり、インタビュー前から盛り上げてくださいました。
インタビュー中も、話している内容がおもしろくて、表情もとても楽しそうに『探究横丁』の未来像を熱く語ってくださいました。
まだ記事では公開できない極秘プロジェクトのお話しも教えてくださったり、私も楽しくなって一緒にアイデアを出してみたりと、『探究横丁』に通う前からワクワクした気持ちになっていました。
インタビュー後に、私がちらっとお伝えしたアイデアについて、すぐに実行されたというお話しをうかがった時は、その行動力とスピード感に感動してしまいました。
Pはかせ@探究横丁さんの新しい挑戦は、スタートしたばかりですが、その勢いに目が離せません。

お忙しい中、貴重なインタビューの機会をくださり、そして色々なアイデアを教えてくださり、本当にありがとうございました。
そして『探究横丁』を引き続き応援していきますのでよろしくお願いします。

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