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読書は治療

最近ちょっと調子がいまいちだったんですが、半日休みを取って奈良のカフェで小一時間「座右の書」を読んだらすっかり元気になりました。

本を読むことは、自己治癒の方法です。
そして、治癒に効く読書は、読むだけではなく「書く」能動的な姿勢も必須で。

松岡正剛ぽいマーキングを試したり

精神的に調子が悪い時、その原因が「忘れている」「迷っている」「見失っている」であれば、道を示してくれる本を読み返すだけで、元の道に戻ることは簡単です。カウンセリングやコーチングも、聴くことを専門とする第三者を立てることで、結局自らを反射させて道を明らかにするプロセスです。

一度読んだぐらいじゃ記憶に定着しない、でも一度読んだことはだいたい記憶のどこかにあるから、読み返せば記憶を掘り返すのは早いんですね。特に一度印象に残ったことはすとんと腹に落ちてくる。このプロセスは単純接触効果で、読み返せば読み返すほど、少しずつ、体にインストールされます。

そのときに「接触」しやすいのはやはり、自分で文字として書いたり、派手にマーキングして目立たせた部分だったりします。おすすめは「章まとめ」を扉ページに書き込むこと。そこだけ見返すのは毎日5分とかでもできます。咀嚼しきって完全に体にインストールしたい本を決めたら、徹底的に汚しきる覚悟が必要ですね。一度ペンを入れたら、自分専用のノートにまで育て上げる。それほどまでに「信じられる一冊」に出会えたら、けっこう儲けものです。

ということで、ジョアン・ハリファックス『コンパッション』の核となる5段階のプロセス GRACE をここで復習します。このプロセスは「自己治癒」の骨格でもあると思います。

①Gather Attention - 注意力を集める
だいたい注意力が分散しているのが迷いの始まり。一旦深く呼吸したり散歩したり諸々シャットダウンして、ちらばった注意力を集めます。大地にしっかり足をつけて立つ=GroundingのGともいえそう。

②Recall our intention - 誓いに立ち返る
ここでいう「誓い」は自分がもっとも重視する価値観に近いものですが、本書を読み返して『コンパッションを誓いとする』ことを強く意識したいと思いました。利他性、共感、誠実、敬意、関与。

③Attune to self and then other - 自らに、そして他者に波長を合わせる
まず自分に波長を合わせた上で相手に合わせに行くという順番が非常に重要です。敬意を持って相手に注意を向けること。

④Consider what will serve - 何が役に立つかの洞察
相手の状況、自分と相手の関係の中で、どのような思考と行為が最も意味を持つのかを慎重に考えるプロセス。

⑤Engage & End - 関与し、終結させる
最後は洞察にとって行動を起こすだけ。

こう眺めると、たぶん大事なのは②=価値観・誓いの揺るぎなさで、それを思い出すための①=Groundingをいかにスッとできる習慣をもつかが、安定性とレジリエンスの鍵になると思います。

こうしてまた書くことで定着が進む。

あと何冊か、座右の書に出会えるような気がします。皆さんの地盤を支える本はなんですか?

🍻