順路のちから
先週末、家族3人で大阪の水族館「海遊館」に行ってきた。めあては企画展『海に住んでる夢を見る展』だ。(うちの京都オフィスのチームが作ったプロジェクト。年明けまでやってる)
日曜日9:30ジャスト(ふだんは10:00オープン)の海遊館はそんなに混んでないけど、団体の観光客が水槽前に固まってスマホをかざしまくる光景はけっこう圧があって、観察もそこそこに「はよ次いこ…」という気持ちになった(妻はのんびりじっくり楽しんでいたようだ)。
「次」に誘導するのは、通路の床面に書いてある「○M➡」という順路の矢印だ。○Mは出口までの距離(700Mとか)。
この順路の矢印はとてもわかりやすく安心できるのだけど、「はやく次の順路に行かなきゃ」という焦りを生むなと思った。目につく矢印があると、ついその先その先と追ってしまう。
また、順路から外れる小部屋でやっている小企画展に行きにくくなる(そっちは順路じゃない!ってなる)。順路を外れた先、順路に戻ってこれるのかわからないし、どのくらいの広さが待っているのかも不明。小部屋分岐は、順路じゃない側に待ち構えているものの情報をしっかり提示することが必要だと感じた。
その前の週、京都国立近代美術館(トルコの秘宝展)に行った時は、明確な順路提示がなかった。入口では左右に展示物があり、次のコーナーのサインが見えない構造だったので、右か左かどっちに行くのか、かなり不安になった。で左に行ったら正解は右で、へんに逆流したり往復したりすることになった。空間的に一筆書きの動線をつくり、その動き方を誘導することは安心につながると思った。(美術館などで「広い通路の左右に展示がある」のって微妙に動きずらいですよね…)
一方、途中で戻りたいニーズ、行ったり来たりするニーズは必ずあるので、エスカレーター式の片側一方通行を強制してしまうのは残念だ。「ざっと速読して気になる章を読む」読書みたいなみかたもしたい。
「順路」の設計とデザインは、案外奥が深そうだ。安心とワクワク、効率と自由をどういうバランスで実現するか。いろいろな場所の順路を観察してみたい。
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