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手帳ジプシーの心理

ティーンエイジャーの頃から手帳が好きである。
毎年8月の終わりが近づくと翌年手帳のデザインやラインナップが各所で発表される。私はワクワクしながら目を通し、時には店舗に赴いて実物を確認し、ネット上で購入候補が売り切れていないかを見張りつつどの手帳を買おうか楽しく悩む。大好きな手帳について思う存分思考を投入する、至福の期間である。

手帳にハマったきっかけは、佐々木かをりさん著『ミリオネーゼの手帳術』を読んだことだった。
時間そのものは目に見えないが、バーチカル手帳を使えば可視化できる、という衝撃。手帳を使って時間を可視化し、手帳を使いこなすことで効率的に仕事や家事育児ができる。しかし何より大事なのは自分のやりたいことのための時間を手帳で確保し、充実した人生を送ること、という佐々木かをりさんのメッセージが本を通して伝わった。グサグサと心に刺さった。
佐々木かをりさんのプロデュースした手帳もすぐに購入し、使い始めた。
現在は別の手帳を愛用しているが、手帳の有用性と哲学を知ったのは、佐々木かをりさんのおかげである。ただただ効率化を求めることなく「何のための人生か。幸せに生きるための人生のはず」と念頭においた考えができるようになったと思う。

佐々木かをりさんプロデュースの手帳を数年使った後、より自分に合った手帳を求めて多くの手帳を購入し、試してきた。
新しい手帳は、この上なく自分を高揚させる。何も書かれていない真っ白な手帳と対面すると、今までの自分とオサラバし新たな人生がスタートするような錯覚におそわれる。
「この手帳、欲しいな」と思うと、私はなるべくケチらずに買うことにしてる。
「この手帳さえあれば、新しい習慣が身について人生が好転するのではないか」という自分の期待を、なるべく自分で叶えてあげることにしている。欲しい手帳を買わず「自分が変わるきっかけになったかもしれないのに」「あの手帳を買わなかったからうまくいかなかった」と思わずに済むようにしている。

何冊もの手帳を買っては試してきて、CITTA手帳のA5サイズに予定やタスク等をすべて書くやり方に落ち着いた。日記や雑記は別ノート(365デイズノート)に書く。
どの手帳を使っても「この手帳だったからこそ何かを成し遂げた」というほどの効果を実感したことはない。どの手帳を使うかによらず、やりたいことは自分の意思で実行していくしかない、という当たり前の結論が私の中で出た。
とはいえストレスなく使える手帳を選ぶことは非常に大切だと思うので、これからも色んな手帳を試し続けるとは思う。
何より、どの手帳を使おう?と考える時間の楽しさ。今まで使ったことのないタイプの手帳を手に入れ使い始める時の期待感。これらは私の人生に、存在していて欲しい。

今、来年の手帳たちが続々と手元に届き始めている。真新しい手帳をパラパラとめくるだけで未来への希望が湧いてくる。

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