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バンピーライド21 - ロンドン封鎖日記 第2波 #6

ズームメリクリとズームあけおめを経て、スペインドラマのVeneno(オススメ)にハマッたりしてたら、あっという間に2021年に突入しましたよ。そして年末年始のバタバタで、気付けば既に1月も半分終わってる訳ですが。

特に今年はそのバタバタも極まってましたねー。ここロンドンでは限界突破のTier4を更に突破して、Level5のナショナルロックダウンにシフトしました。なんで突然レベル方式になったのか謎。毎度ややこしいですが、とにかく状況悪化したって事です。1日の感染者+3万、死者+3千とかいう爆裂ペースじゃ当然です。去年末からの大トレンド、ロンドン型変異種(ヴァリアントとか呼ぶと宇宙怪獣っぽい)が席巻中。今やロンドンの1/30人が感染者らしいので、まじ誰にも会わずずーーーっと家にいますよ。もういつから引きこもってるのかすら思い出せません。

現状人類唯一の希望であるワクチン投与も始まって、1か月で100万人以上が摂取しました。現時点で全国民の2%って事で、100%まで50か月かかりますね。って勿論今後加速させていく筈で、「春までに全ての成人に投与」とか言ってましたが、早くも製造&確保でトラブルが出始めてます。加えてワクチンの効力継続が1か月とか3か月とか言われてて、集団免疫なんていつの事になるやらって感じです。今のところずっとウイルスのターン継続中、上手先手を取られ続けてますね。

現時点で全世界200万人の死者が出ていて、ダブルミリオン突破しても尚絶好調でパンデミック爆進中。「重症化率2%死亡率0.2%未満、殆どの人にとってはただの風邪」云々だとしても、結果それだけ死ぬ訳です。年賀状くじくらいの当選率でしょうか。結局スペイン風邪みたく、当選者が全て死に切るまで止められないのかもしれません。まあ現代最新科学をもってしても地震や津波や台風などの自然災害を制御できないのと同じです。

西洋思想ではそれを力で捻じ伏せようしますが、東洋思想は割と共存してく方針ですよね。特に日本みたいな天災天国では「火事親父」みたいな「抗うだけ時間の無駄」的な半ば諦めの境地を感じます。エコではあるものの、その分進歩は遅いのかも。

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コロナの一方ではブレグジットもありました。交渉はギリまでこじれてましたが、滑り込みでディール成立。懸案だった漁業パニックは一応回避しましたが、北アイルランドの宙ぶらりん感は否めず。移民や関税も(今のところは)大きな混乱は見られませんが、金融に影響が出ているとかいう情報は見かけました。これらについては中長期で見ないと何とも言えません。

個人的には、まあ離脱してしまったものはもうしょうがないっつーか、特段悲観してる訳でも無いです。たぶん今後は英米コモンウェルスのアングロサクソン連合が強まる流れになるんでしょうねー。まあやりようによってはEUサイドより有利な展開もあり得なくもない。

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んでアメリカですよ。やってくれましたねートランプ爺さん。低過ぎる死角からくるガゼルパンチ再び。イチャモン告訴を片っ端から却下された挙句、ネオナチ扇動、議事堂乱入で死者まで出すとか、土人過ぎてスピーチレス。この恥ず過ぎる体たらく、むしろナチスに謝れ。

どこの国でも国家反逆は殺人以上の重罪ですが、さすがに米議会も弾劾に動き出しました。そりゃこんなキチが国家機密や核ボタンにアクセスできる状態はヤバいです。就任式への扇動防止でSNSも剥奪(まだホワイトハウス垢で呟いてますけど)。さてこの爺さんどうなってしまうんでしょうかねー。4年間の暗黒伝説の大フィナーレが目前に迫っています。

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そんな感じの年明け最初の怒涛の2週間。のっけからてんこ盛りの2021年はどんな一年になるんでしょうか。とりあえず春まではコロナで身動き取れず、その間経済はどんどん壊滅していく見通しです。

そしてそんな風に世界が弱る時は、闇の勢力が強まるのがお約束で、その混乱の中からヒーローが登場するのがアニメの鉄板。今年は反撃ターンが始まるといいですね。個人的には今年はなんとなく中国が面白い事になるような予感がしています。

世紀末救世主伝説

「自由と平等は相容れない」というのはアニメでよく聞く定番フレーズです。まあそうかなと思いますが、そもそも別にどっちか片方に決めなきゃならないってものじゃないですし。どっちも必要で、そのバランス配分をどうするかという話です。世の中簡単に割り切れるものなんてそうそうありません。

アメリカの分断を自由派と平等派と例える人もいます。アメリカ建国のコンセプトがかなり「自由」寄りだった事もあり、トランプ支持者のような右派は自由派傾倒、アイデンティティとしてアカ嫌悪を持っています。

究極の自由社会とは無法社会です。ルールで縛られない代わりに全て自己責任。銃で我が身を守り、皆保険も無し。マスクをしない自由。しかしそんな中で自由に生きられるのは北斗神拳継承者だけで、殆どの人はその強者の取り巻きとして生きるしかありません。かつて人類が通った道、腕力がモノを言う猿の群レベルなので、その社会が高度文明に到達する事はありません。結果逆に不自由極まりない。皆ただ生きて死んでいくだけです。

一方究極の平等社会とは完全管理社会です。今のところディストピアSFの想像の中だけで、人類は未だ成し遂げた事はありません。全ての人に一定基準の生活が保障されますが、秀でた能力や個性は封殺され、多様性を失った社会は滅亡します。皆ただ生きて死んでいくだけです。

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どちらにしろ人はただ生きて死んでいく。であるならば、せめてその過程を幸福なものしたい。そのバランスを見つけたい。

人が集団で生きる以上、必ずルールが必要になります。猿の群にすら掟はあります。無法社会なんてものはあり得ない訳です。そして集団ごとに採用ルールは異なります。不満を持つ人が増えると社会が不安定になるので、できるだけ多くの人が満足できるよう色々試行錯誤して、民主主義、社会主義、自由資本主義みたいな、自由/平等のバランス配分が異なるルールをそれぞれ採用してきました。

しかしどんなルールであれ、「自分の自由や権利を守りたいなら、他者の権利も尊重して侵害しない」という大前提が無ければ成立しません。ロックダウンで一時的に自由を大幅に制限するのもそのためです。そういう意味ではネオナチも、中国共産党も勝算は低そうです。

ちなみに中国は自由と平等のいいとこ取りしてる筈なのに自由も平等も両方無さそうなのがすげえ。

青き衣の救世主伝説

そして去年、この惑星を覆い尽くしたパンデミック。「人類史の転機となる」とか「革新を加速させる」だとか、言うてもまあそこまでの事にはならんだろ、と正直思ってましたが、ここまでやられっぱなしだとさすがに若干現実味を帯びてきます。逆にウイルス側から変異の選択圧をかけられているかの様な、こりゃもう切実な死活問題として根本的な戦略方針を変えなきゃどうにもならんのでは。僕自身もこれまで分散型社会とかベーシックインカムとか色々妄想を書いてきましたが、最終的には実際そういう極端な選択肢しか無くなってくるような気がしてきます。

原作版の風の谷のナウシカでは、「人の創造物で後世に残す価値あるものは音楽と詩だけだった」とか言って「大海嘯後の浄化された新世界、そのために調整された新人類」はキメラに仕事全部任せて遊んで暮らす事になってました。パンデミック後の新世界では新人類がAIロボットに仕事を任せて遊んで暮らす感じになっていくんでしょうか。(まあそんな新人類達も、旧人類の青き衣の救世主たるナウシカに皆殺しにされてしまった訳ですが。)いっそ一気に全部巨神兵で薙ぎ払えれば楽なのにねえ。

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まあ何はともあれ年は明けました。今年もまだまだバンピーライドな雰囲気ですが、振り落とされないように上手いことやってきましょうぜ。


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いつの世も、アーティストという職業はファンやパトロンのサポートがなければ食っていけない茨道〜✨