伊佐坂(詩人)

言葉と出会い、言葉と遊び、心に寄り添う旅をしています。名前は重要ではありません。重要な…

伊佐坂(詩人)

言葉と出会い、言葉と遊び、心に寄り添う旅をしています。名前は重要ではありません。重要なのは言葉が織り成す世界。小さな感動を隣人と分かち合いたい。温度と湿度と感情を紙の上に描く、私は言葉の旅人です。

マガジン

  • 詩集 動詞 Ⅰ

    主に身体に関わる動詞をテーマにした散文詩集です。

  • 詩集 動詞 Ⅱ

    主に身体に関わる動詞をテーマにした散文詩集の2集目です。

  • 詩集 動詞 Ⅲ

    主に身体に関わる動詞をテーマにした散文詩集の3集目です。

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踊る

踊る、踊る、独りで 星が見ている、静かな夜に 足跡は風に消され、 月の光だけが僕のパートナー 回る、回る、影と共に 悲しみはリズムを刻む 笑顔の記憶、遠く霞んで 踊り続ける、止まらないメロディー でも、心は静かに泣いている 失ったものの重さに 踊る、踊る、独りで 星も月も、見守るだけ 終わらない夜に願いを込めて 踊り続ける、一人きりで 踊ることで、忘れようとしても 心の奥、いつも悲しい音楽が流れる 踊る、踊る、独りで 星が見ている、静かな夜に 足跡は風に消され、 月の

    • 辿る

      君を求めて 道しるべなく 足跡だけが 心を引き裂く 近づくほどに 遠ざかる影 触れられない 君の香りに迷う さまよい続け 夜が明けても 君の笑顔は 遠い空の彼方 会えない寂しさ 深まるばかり 君への想い 風に溶けていく #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

      • 覗く

        深き夜の暗がりに、目を凝らし見つめ入る。 黒の中、何を探し求めるやら。 心の奥、隠された欲望、恐れ、悩みが、 闇の中に映し出される。 そこには、己の姿が映る。 明かりなき世界の中、独り見つめるは、 己が己を見失う影。 最後に気づく、闇を覗くことの真意。 除かれるは、他ならぬこの自身。 覗き見ることの果て、 恐怖に気づくは、自己の存在。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

        • 突く

          深く、鋭く、言葉は矢となり 心の隙間を見つけては滑り込む 意図せずとも、残る傷跡 見えぬ痛み、波紋を広げる 冷たく硬い、細く巨大な氷柱 暖かな日差しの中でも、えぐる心 いつ落ちるかわからぬ 慎重に、そして優しく扱わねば 人は壊れやすいガラス 一度割れれば、元には戻らず 砕ける繋がり、散らばる欠片 集める手はいつも、傷だらけで血に染まる 深い闇に問いかける 何故、繰り返すのか 言葉の重さ、その鋭さを 私たちは、いつ理解するのだろう #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #

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        • 詩集 動詞 Ⅰ
          9本
        • 詩集 動詞 Ⅱ
          7本
        • 詩集 動詞 Ⅲ
          8本

        記事

          這う

          闇に溶け込む指先。 触れる冷たい石の床。 先は見えず、ただ感覚に従い、 足下は遠い闇の中。 時間の経過と、 心の中の不安が、唯一の友。 道はこれで良いのか。 疑問が私の身体を更にひきずる。 光も方向も無い。 旅の終わりが見たいのか、 扉が現れるのが怖いのか、 振り子が止まらない。 突然の何かは、まだ訪れない。 前か後ろかわからないが、 動き続ける。暗闇の中を。 私は誰にも見えない。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞

          聞く

          静寂の中で、 なぜか響くしずくの音。 見えない水の旅路、耳の奥深くへと誘う。 この世の声が消え去った後も、 残るはただ、滴る調べだけ。 心の隅に、忘れられない旋律を残して。 不思議と心地よい、その響きに、 無言の世界が広がる。 見えぬものを感じさせる、唯一無二の存在。 沈黙を破ることなく、 静かに、確かに、生き続ける音。 聞こえないはずなのに、永遠に響き渡る。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          掻く

          空を見上げる小さな鳥がいます。 羽ばたいても、風は彼を遠くへ運ばず、 同じ場所で、ぐるぐると回るだけ。 地面をつつく小さな虫もいます。 せっせと穴を掘っても、穴は深くならず、 同じ景色に、ただ立ち尽くすだけ。 海を渡る小さな舟がいます。 漕いでも漕いでも、岸は近づかず、 同じ波に、いつまでも揺られるだけ。 みな、変わらぬ日々を過ごしています。 変わらぬ中で、変化を胸に秘めて。 小さな引っ掻き傷が少しづつ、 変化の種となるかもしれない。 小さな鳥も、虫も、舟も、 それぞ

          伏す

          静かに、頭を垂れ、 目を閉じて世を忘れた。 沈黙の海に身を委ね、 暗闇を友と呼ぶ。 この身を低くして、 いろいろ避けようとしてみる。 頭上に音がするような、 大きな流れが身をかすめていく。 徐々に滲みてくる気配、 身を屈めても、追いかけてくる。 影は静かに、ゆっくりと確実に、 足元へも、手先にも。 心の奥底で願っても、 在るものは在り、無いものは無い。 目を瞑り、耳を閉じても、 終わりが必ず訪れる。 夜明け前の闇が最も深い、 そこから逃れる術はない。 ただ、受け入れる

          吐く

          身体の奥、静かに渦巻く 種の種、日々膨らみ 言葉になる前の塊、閉じ込め 糸の糸、ほつれ始め 体内の海、静かに波立つ 渦巻く潮、抑えきれず やがて爆ぜる、宇宙の嵐 中心の中心、刹那で起こる 遠く響く、解放の歌 静寂を破り、熱を帯び 音と色と言葉の世界へ 私を誘う #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          遮る

          遮っても、遮っても、風は吹き抜ける 遮っても、遮っても、光は差し込む 遮っても、遮っても、声は届く 遮っても、遮っても、思いは溢れる 遮っても、遮っても、時間は流れる 遮っても、遮っても、花は咲く 遮っても、遮っても、星は瞬く 遮っても、遮っても、夢は続く 遮っても、遮っても、愛は深まる 遮っても、遮っても、痛みは癒える 遮っても、遮っても、希望は輝く 遮っても、遮っても、生命は躍動する 遮っても、遮っても、世界は廻る 遮っても、遮っても、真実は明かされる 遮っても、遮

          掴む

          影を追いかける手、 ひらり、ひらりと逃げる夢。 空を掴もうとして、 風の中、手は空しく。 水面に映る月、 握ろうとすれば、波紋だけが残る。 心に秘めた想い、 言葉にする前に消え去る。 追い続けるは幻、 手の中、何もなく。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          瞑る

          瞼の裏 無限の舞台 色彩豊かな夢 心の筆と 感覚で描く いくつかの線と光 静かな夜に浮かぶ 星々のささやき 暗闇に包まれた小宇宙 そこで息づく 無限の可能性 瞼の裏 見たことのない暗闇と 見たことのない花をみつけた #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          舞う

          春の風に 踊る花びら、 舞い上がる夢、夢。 空に向かい 軽やかな足取り、 笑顔を運ぶ風、風。 日差しの中、 一つ、また一つ、 輝き瞬く波、波。 舞台は身体、 わたしは踊り子、 星のリズムに合わせて。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          削る

          鉛筆を削り、思索の深淵へ、 文字が舞い、空想が生まれる。 秋の風、木の葉を削ぎ、 道に落ちる、一片の静けさ。 時代を重ね、記憶を削ぎ、 過ぎ去りし日々、かすかな影になる。 水の流れ、石を削り、 川の歌、永遠に響く。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          潜る

          深淵の涙を纏い、 無限の青に溶けゆく。 沈黙の波紋を創り、 私の影を追いかける。 光を忘れた場所を眼下に、 奥深く、深くに沈む。 行きつく底の水面に、 鏡のように私を映す。 深海の私。抱く静寂。 もっと沈もう。 底の海のさらにその先に在る 私に会いに。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体

          眠る

          静かな夜、閉じる瞼の裏、 そこは、別の時間の流れを秘めている。 目覚める度、新たな世界が、 息を潜めて待っている。 星が揺れる間、 私は違う空を渡る。 朝、目を開けた時、 全てが変わっている。 昨日とは違う風、 新しい空気が、肌を撫でる。 この世界は、 私の寝息とともに、生まれ変わる。 静かな夜、また閉じる瞼の裏、 新しい時間の流れが待っている。 #詩的散文 #詩文 #思索 #思考 #日記 #エッセイ #詩 #創作 #ポエム #詞 #随想 #身体