日が暮れると

森の中で

葉を掻き分け歩く

大きな足音がするんだ

姿を見た事ないけれど

見つかったら

踏みつぶされちゃうのかな？

お化けの子の怪談②

森が夜に染まって
辺りは薄暗い

草の中からは
何かの気配がするよ

近付くと蛇だった

違う方からは
光る目が此方を見てる？と

確かめると狸だ

森は昼間と
あまり変わらないね

もっと
森の奥に行こうか？

それとも…

お化けの子の怪談③

夜の歩道をトボトボ歩く

僕の事が視えてない人は
すり抜けて
通り過ぎて行き

僕が視える人には
ぶつかってしまうんだ

｢大丈夫？ゴメンね」って言って
お面を拾ってくれるけれど

ぶつかった衝撃で
傷口から垂れ出た
血塗れの顔を見て

人は悲鳴を上げるんだ

怖いの？

落ちたお面

夏の夜に子供にぶつかって

｢大丈夫？ゴメンね」って

お面を拾って子供に謝った

見ると葉の形の不思議な お面

顔を見ると
生気の無い顔で血が流れ出てた

つい まじまじと
子供の顔を見てると
可笑しそうに
に〜ぃと嗤うから

ゾッとして
金切り声になる程の
悲鳴をあげて逃げたんだ

お化けの子の怪談④ 赤い服の子

傷口を手で触ったら
血で真っ赤になったんだ

手を拭く物が無くて
服で拭き取ったら
赤い手形が
沢山 服に付いちゃった

傷口の血が止まらないから
服の首周りも
赤くなってる…

ぶつかったって来た人が居たから
落ち込みなが聞いたんだ

｢僕の服は赤い？」って

お化けの子の怪談⑤
噴水のヘドロ

広場に行ったら
噴水があって
噴水の水で
服に付いた血を洗い流したんだ

薄っすら血に染まった水が
クルクルしてるから
見てたら
ヘドロが血を吸い込んでた

血のせいかな？

水の中に
ヘドロが増えて
近くに居た人の腕を掴んで
ヘドロが遊んでいたよ

お化けの子の怪談⑥ 濡れた足跡

濡れた靴の中の水が
歩く度に音がなるんだ

其の音が面白くてさ

ワザと濡れた
靴音をさせながら歩くんだ

もう夜の散歩も
飽きちゃたから

帰ろうかな

なんて…

唄いながら

森までの道程を

濡れた足跡を付けながら

帰るんだ