見出し画像

待つ。

待つ身がつらいかね、待たせる身がつらいかねという文句がある。私はどんなときも人を待たせることをしないので、待たせる身になったことがないけれども、わかる。待つ身はつらいものだ。

色々なものを待ってきた。合格発表、採用通知、人、etc.。応募して、受かった、落ちた系のものばかり記憶に残っている。胃をきりきりさせながら、心臓をドキドキさせながら待つ。「なんでこんなにドキドキしてるんだよ」と自分を毒づきながら、自分の解答や回答、提出した書類を何度も何度も頭の中で再現し続ける。大丈夫、大丈夫、できてる。ちゃんとやってる。と思いながら、何度も自分を落ち着かせる。そして、現実はやってくる。「貴殿を採択することを決定いたしました。」、「Congratulation!」、「大変申し訳ございませんが、今回は不採用に…今後のご活躍をお祈り申し上げます。」何度も見てきた。

不採用を知らせる画面を目の前にして、泣いたことは何度もあるけれども、合格通知を目の前にして泣いたことが今までで二回あった。高校に合格したときと、JASSOに受かったとき。前者は完全なる喜びの涙だったけれども、後者は安堵の涙だったことを覚えている。自室で、「よかった、よかった」と声にならない声を出しながら泣いていたのが2023年3月3日。2024年3月11日、私の誕生日、合格通知を見て泣いた。3回目の涙。志望していたコースに受かったのだ。Conditional offerだから、成績がとれないと、完全なる合格にはならないのだけれども、大きな一歩だ。Conditional offerがなければ Unconditional offerは得られないのだから。

一度憧れたコースであった。だけれども、私がすごくすごく尊敬している先輩がそのコースに不合格だったことを知っているから、当然、私には無理だと思って、志望先から外していた。だって、ファウンデーションコースを次席か三席で卒業した先輩が駄目だったんだから。だけれども、なんとなくあきらめきることが出来なくて、憧れが夢に変わって、パーソナルステートメントを必死に書いた。英国の大学入試は、日本の大学入試が点数順に上から合格していくのと異なり、多様性を維持するために国籍や出身高校の属性(私立か公立かとか)等々が見られるため、一筋縄ではいかぬものなのである。去年、ファウンデーションコースから日本人の先輩が私が希望するコースに受かったから、同じ国籍の私は無理かなとか色々考えていて、眠れない日が続いたり、何にもやりたくない日があったりした。だから、合否を見るとき、手は震えていたし、合格が分かったあとは視界はぼんやりしていた。高校2年生の、あのときの私をほんの少し許せた気がした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?