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誰かの1番に

雨が降っていた。久しぶりの人と遊ぶ日だと言うのに。もしかしたら私は雨男なのかもしれない。雨とか天気が悪い時が多いような気がする。もちろん晴れの日もあるのだけれど。晴れと雨が半々ぐらい。私は人と遊ぶことに向いていないのかもしれない。

最近は順位を決めないらしい。小学校の運動会もみんなが1番。みんなが平等。上とか下とかを決めない。それはそれで酷くつまらないような気がするけれど。小学生特有の足が早い人がモテる謎の現象も無くなるのだろうか。みんな同じなのだから。個性を潰しているような。出る杭は打たれる日本の縮図のようだ。

思い返してみたら1番になった経験がない。良くて3位とか。賢さだって、面白さだって、仲の良さだって。どんな事柄においても1番になれた試しがない。誰かの1番になったことも無い。1番の友人に名前が挙がらないと思う。みんな自分よりも仲がいい人が居る。私には居ないのに。そんなもんだ。結局は。

何か秀でるものがある人間は、それでやっていけるのだから羨ましい。それでやっていけるものがひとつもない。個性がない。見つけられてないだけなのかもしれないけれど。履歴書の長所を書く欄は全て嘘で固めた。微塵も本当の私のことなど書かれていない。長所など無いのだから。

1番になれなくてもいい。オンリーワンになれたら。そもそも1番はオンリーワンだと思う。オンリーワンだから1番なのだ。私は量産型の人間だ。従うだけのロボット。神様は残酷だ。

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