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深夜のトマトジュース

朝から憂鬱な気分が抜けなくて深夜徘徊をした。
歩いて、歩いて、また歩いた。
目に入った公園のブランコに乗って、ぼーっとして、また歩いた。

どれだけ歩いても物語には出会えなかった。
深夜の駅なんだから、吸血鬼くらい現れてくれればいいのに。それで吸血鬼の眷属にでもなりたい。 不死身の身体になりたい。なったところでやりたいことなんかないけど。

深夜徘徊をしても吸血鬼の眷属にはなれなかったので気休めにトマトジュースを飲んだ。人間の血とか飲みたくないし。トマトジュースは美味しいけど人間の血はまずそうだし。

独りで飲むトマトジュースはしょっぱい。

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