見出し画像

中国ドラマ「Because Of Love」(今生有你)

主演:ウォレス・チョン(钟汉良)、リー・シャオラン(李小冉)、ワン・ヤン(王阳)、ティエン・レイシー(田蕾希)
2022年 全30話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=百度百科より)

待ってました〜、こういうドラマ!
昨年末に出た中国ドラマを5本同時視聴していて、その中でも一番遅く観始めたにも関わらず、ぶっちぎりの一番乗りで完走!いやぁ、めちゃくちゃ面白くてハマってしまった。華流ドラマファンの間でも「やっと成熟した大人のラブストーリー!」と第1話目配信から評判になったが、期待を裏切られなかった。

再会する二人

ベーカリーのレジ係として働くリー・シャオラン演じるタン・ジン(静)には、先天性の心臓疾患を抱える息子ピンピン(平平)がいる。手術を受けさせたいのだが、なんと言っても先立つものがない。旦那のローレンス・ワン演じるズージュン()は日雇いの仕事ばかりだが、ちょっと気に入らないことがあると暴れたり、同僚に暴力を働いたりして、警察に捕まることもしばしば。

そんな時、病院で新しい治療法のトライアルにピンピンを参加させてはどうかと医師より打診される。そうすると治療費が無料になるため、願ってもないが、リスクも大きい。とりあえず、タン・ジンはピンピンを連れてそのトライアルプロジェクトの医師に会いに行くのだが、なんとそれは昔の恋人、ウォレス様演じるニー・ユーシェン(宇晟)だった。

距離を縮められない二人

学生時代にベルギーに留学していたユーシェン、一時帰国した際に恋人のタン・ジンに急に別れを告げられ、長い間立ち直ることができなかった。そして数年経った今でも、彼女のことを忘れることができなかったが、不意の再会に心が動く。
しかし、タン・ジンの態度はつれなく、なんとか彼女を忘れようと、長年の親友であるティエン・レイシー演じるシュー・チン(舒琴)と付き合ってみることにするのだった。

タン・ジンもユーシェンとの再会に心が動くものの、一方で頑なでもあった。実は彼の父親に酷い仕打ちを受け、それを絶対に忘れたり、ましてや許すことはできなかったのだ。
しかし、ピンピンに手術は受けさせたい。
そんな折、ユーシェンの父親もガンが見つかり、入院する。
皆が再会するものの。。。

静かに、でも劇的に展開していくストーリー

英語題も、もちろん原題も、割と平凡な響きなので、単に昔の恋人と再会してくっつくストーリーかと思っていたら、なかなかドラマチックであった。
ほぼ毎エピソード、タン・ジンとユーシェンの過去の回想あるいは夢から始まるのであるが、現在のストーリーが進むうちに、そのシーンによって、様々な状況や、彼らの心情が明らかになってくる。
中国ドラマあるあるで、本作も父親の死の真相を探るという、ある意味ミステリーにもなっている。てか、中国のお父さんたち、ドラマでいつも死にすぎ、あまり不可解な死に方をしないでください。あ、でもドラマにならないか(笑)。

それからもちろん、息子ピンピンの病気のストーリーも見所。この子役の子が本当に可愛くて、ついついうるうるしてしまうが、家族ドラマでもあり、三世代にわたる物語でもある。

舞台は上海であるが、病院、超高層ビルのオフィスだけでなく、ちょっと下町っぽいところも出てきて、生活感にも溢れている。
そして、タン・ジンとユーシェンの故郷として「ニンアン(宁鞍)」という町が出てくる。実在の場所なのか、架空の名前なのか、調べたけれどわからなかったが、ここもまた良かった(上海から数時間バスでかかるという場所だった)。超高層ビルのおしゃれな上海もいいが、時々中国らしいこういう場所も出てくるとなかなか嬉しい。

ちょっと年齢設定が。。。

とっても満足なストーリーであったが、唯一気になったのがタン・ジンとユーシェンの年齢設定。もうすぐ実年齢ではアラフィフに届く二人、そんな風には全く見えないのだが、劇中では大学生時代に別れて、7年後に再会。別れた頃の年齢を23歳と設定しても、再会するのは30歳??
うーん、他の人のコメントでも読んだが、私もちょっと無理があるように感じてしまった。二人の学生時代は別の若い俳優達によって演じられているのだが、同じく学生時代からの描写があるション・ファンティン(盛方庭、ワン・ヤン演)とシュー・チン(ティエン・レイシー演)は本人が若い時代も演じているため、違和感がある。

キャストがみんないい

まあ、年齢のことはおいといて、観始めてとにかく嬉しかったのは、ウォレス様が吹き替えではなく地声!香港出身の彼は、ほとんどの中国ドラマでは吹き替えになってしまうのであるが、これは貴重であった。バラエティでも聞いていたけれど、やはりドラマでの彼のソフトな声にキュンキュン💕

メインキャストがとにかくみんな良かったが、中でも演技に注目はこの二人。
まずは、タン・ジンの旦那ズージュンを演じたローレンス・ワン(見出し画像一番右)。佐藤二朗にちょっと似ている彼、最初は暴れまくってとんでもないやつなんだけど、次第に彼のことがわかってくるとじんとしてしまう、そんな演技に惚れた。多分初めてみると思うのだが、なかなかベテラン俳優のようで、演技が本当に良かった。

それからもう一人が注目株!ウォレス様の青年時代を演じたジャン・ユー(宇)!

(写真=百度百科より)

本作はリウ・ジュンジェ(刘俊杰)というヒットドラマを生み出す台湾人監督によるものだが、2015年にもウォレス様主演で中国ドラマ「マイ・サンシャイン(何以笙箫默)」を制作している。この時ウォレス様の青年時代役をやったのが、今では中国を代表する大人気俳優のロー・ユンシ(云熙)。彼はこの役で有名になったので、今回もウォレス様の青年時代役というと注目せずにはいられない。
本作ではジャン・ユーくんは出番が少ないものの、とっても良かった。既に数本時代劇には出ているようだが、これから楽しみな一人である。大連出身だが、あそこもイケメン産地のようなので、今後注目しなければ!

ラブストーリーはもちろんだが、親権争い、義兄弟、家族の病気、家族の確執といったテーマが盛り込まれているので、ヴァネちゃん主演の台湾ドラマ「秋のコンチェルト(下一站, 幸福)」や、ジェリー主演の「Loving, Not Forgetting(恋恋不忘)」系が好きな方にはがっつりお薦めしたいドラマである。

こちらが予告編。

こちらがオープニングテーマの「忘了對我說」♪(音源&歌詞のみ)


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文