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中国ドラマ「破氷行動 ~ドラッグ・ウォーズ~」(破冰行动)

主演:ホアン・ジンユー(黄景瑜)、サイモン・ヤム(任達華)、ウー・ガン(呉剛)、ワン・ジンソン(王勁松)
2019年 全48話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(2022年8月5日追記、予告編リンクを追加)

2013年の実話を元にした広東省の麻薬カルテルと麻薬撲滅のために闘う警察組織のストーリー。中国語の原題を英訳すると「Ice Breaking Operation」となるが、このICE=氷(冰)はここでは「メタンフェタミン」(覚醒剤)のことを指す。
リン(林)一家が組織する村全体で行う覚醒剤生産と、主な輸出先であるヨーロッパへの販売チャンネルをなんとしても食い止め、摘発しようとする警察官父子の闘いを描いているが、敵は麻薬カルテルだけではなく、警察内にも潜り込んでいる。誰が敵で、誰が味方なのか、全員が互いの腹を探り合いながら捜査を進めていく。

複雑な人物相関図

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これはこのドラマのウェイボーのページに掲載されていたものだが、あと2枚あり、警察組織と麻薬カルテルと合わせて非常に多くの人物が登場する。誰がなんていう名前でどういう役なのかを把握するまで10話ぐらいかかり(私の場合)、3枚の相関図を取っ替え引っ替え見ながらドラマを観るという、忙しいものであった。
主役の熱血刑事リーフェイ(李飞)を演じるのはホアン・ジンユー。他の記事を読んでくださった方はわかると思うが、私がこのドラマを観た目的はもちろんホアン君である。そして彼の育ての親で警察の麻薬撲滅局副局長リー・ウェイミン(李维民)にウー・ガン、麻薬カルテルの親分リン・ヤンドン(林耀东)をワン・ジンソン、香港の商人リウ・ハオユー(赵嘉良)をサイモン・ヤムというベテランおじ様俳優たちが脇を固めている。

見どころが満載

麻薬カルテル内の小リーダーの一人が逮捕されるが、尋問中にリーフェイにだけふとある秘密を漏らす。証拠もあるという。しかしそれ以上追求することができず、その男はカルテルの力で釈放されるものの、翌日死体で発見される。
・・・彼の漏らした秘密は本当なのか?
リーフェイの同僚の一人が恋人の元カレから呼び出される。しかしそれが罠とわかり、リーフェイが助けに行くが、銃の撃ち合いとなって同僚は殺されてしまう。
・・・なんのための罠だったのか?誰が仕掛けたのか?
いくつかの一見関係ないように見える事件が、実は全部繋がっており、麻薬カルテルと警察内に潜り込んでいるスパイを摘発するために、警察組織が身内も欺きながら様々な捜査を行なっていく。
警察組織内の人間関係や、麻薬カルテル内の人間関係、覚醒剤中毒になっていく人たち、色々な人間模様が描かれていて、飽きることなくストーリーが展開されていく。

舞台は広東省

実在の中山市と香港、架空の东山(ドンシャン)市と塔寨(ターザイ)村を中心に広東省が舞台となっているが、覚醒剤をめぐる話なので、下町っぽい物騒なところが多く出る。そんな中にも時々出てくるレストランは飲茶で、思わず食べたい!と料理に目を奪われたり、覚醒剤生産をする村も観光で行ったら昔の雰囲気が残る迷路のような町で行ってみたい!と思ったりした。

ホアン君ファンには嬉しいネタ

このドラマでも熱血刑事を演じているかっこいいホアン君であるが、登場人物が多く、ストーリーも複雑なため、彼がほとんど出てこないエピソードもあったりする。でも嬉しいこともあった。華流ドラマを観ていると、時々主役の俳優などの過去の出演作がネタになって出てくることがある。
「なんでずっと麻薬撲滅の任務ばかりやってるんだ?」と育ての親リー・ウェイミンに聞くリーフェイに
「なんでだろうな。上瘾。」と答えるのである!
これはホアン君のデビュードラマ『Addicted ハイロイン』の原題で”中毒”の意味である。この会話ではおそらく覚醒剤とドラマの題名がかけられているのだろう。中国語と英語の字幕で見ていたのだが、これを聞いた時は飛び上がって喜んでしまった(注:日本語訳は私の適当なもの)。

ドラマの最後には実話の本当の村が今どうなっているか、ドラマのモデルとなった人物たちがその後どうなったかという報告が出てくる。

(2022年8月5日追記、予告編リンクを追加)
私が視聴した時はまだ日本では公式配信されていなかったが、現在では日本のいくつかの配信サービス(アマプラにはあるのを確認)にも追加され、DVDも発売されたようなので、日本語による予告編を見つけたので、こちらにリンク。


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