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中国ドラマ「マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~」(爱的二八定律)

主演:ヤン・ミー(杨幂)、シュー・カイ(许凯)、リー・ザーフォン(李泽锋)、ワン・ズーシャン(王子璇)
2022年 全40話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=すべて百度百科より)

日本でも11月1日よりLaLaTVで放送開始!

ふぅ〜、やっと観終わりました、一本。
年内に観なきゃ!とあれもこれも観始めた結果、視聴中ドラマが16本になってしまい、どれも終わらない。しかし、今日やっと本作の最後の2話が通常配信され、完走!

10月以降、中国ドラマ界隈では何本かの最新時代劇がもっぱら大人気で、どこのファングループでもそれらのドラマの話題で持ち切り。私のような現代劇しか観ない派は肩身の狭い思いをしていたが、待ちに待った本作がやっと登場!これも今年の目玉ドラマとして、ずっと配信が待たれていたが、何度も延期された挙句、ようやく出てきた。

WeTVで配信されていた本作、配信頻度がけっこう気に入っていて、火水木に2話ずつ、週に計6話というのはなかなかよかった。本作も楽しみで配信当日に出来るだけ観ていたが、見逃しても、週末にはその週の分を全部観ることができた。
しかし、12月に入って急に配信がなくなり、10日間ほど音沙汰がなかったら、急に12月10〜11日に一気に最後の16話が配信!しかも、33話から最終の40話までは「VIP EXPRESS」となっていて、8ドルだかの追加料金が必要!既にVIP払ってるのに、なんだ、このEXPRESSというのは(怒)❗️

少しして、2話ずつEXPRESSが解除され、やっと今観終わった次第。人気なのはわかるが、なんだかせこいなぁ、テンセント。

個人的な利益を求めた偽装結婚

ヤン・ミー演じる弁護士チン・シュー(秦施)は、チェンユーホエ(诚与慧)法律事務所でキャリアを積み、パートナーになるのを夢見ている。ただ、この事務所はある意味封建的で、ある案件のために弁護士を募集していたのだが、「結婚していること」が条件だった。とにかく大手事務所で働きたかったチン・シューは、勝手にネットで見つけた男性を自分の夫に仕立て、既婚者として事務所に雇われることに成功した。夫は海外に単身赴任、子供は外国の親戚に預けているという家族設定をでっち上げ、バリバリと仕事をこなしていた。

ある日、起業家の集まるパーティーに招待され、出席していたチン・シュー、なんとそこに架空の夫が突然姿を表す!

シュー・カイ演じるヤン・ホア(阳华)は、元々は投資会社で有能なファンドマネージャーとしてカナダで仕事をしていたが、とある取引で大失敗をし、それが彼の中で大きなトラウマとなり、復職できなくなってしまう。中国に戻ったものの、自宅に引きこもってほぼニート状態が4年ほど続いていた。かろうじて株取引などでお金を稼いでいたものの、母親から散々結婚しろとせつかれ、母親がアレンジした見合い相手に会いに行かされる。

その見合い相手はチン・シューの同僚で弁護士のリー・ダイ(李黛)。彼女は自分の見合い相手と、チン・シューの机に飾ってある夫の写真が似ているのに気づき、何かあると踏んで、チン・シューと一緒に出席していたパーティー会場を見合い場所に指定し、ヤン・ホアを呼びつけたのであった。

パーティー会場で鉢合わせになったチン・シューとヤン・ホア、最初はヤン・ホアは怒っていたものの、二人で話し合ううちに、彼にとってもこの偽装結婚がまんざら悪くないと気づく。なんせ、家に帰ると母親が結婚しろ、結婚しろと、あまりにもうるさいので、辟易していたところだったからだ。

そんなわけで、きちんと契約書を交わして偽装夫婦になることにするが、果たして二人の関係はこの先どうなる⁉️

バリバリのキャリア妻と仔犬ちゃん夫

結婚しないなら出てけ!と母親に家を追い出されるヤン・ホア、安ホテルに泊まっていたが、チン・シューに拾われる。彼女はとにかく仕事一筋で、家は散らかし放題。しかし、ヤン・ホアはこんな綺麗なアパートに泊めてもらえるのならと、進んで家事をするようになるのだが、この辺から二人のケミストリーがなかなか良くなってくる。

主夫よろしく家の掃除から買い物、洗濯、料理までこなすヤン・ホアに、チン・シューは時には甘え、時には仕事の相談をしたりして、いろいろな角度からお互いの考え方というものを知っていくようになる。
お互いの損得のために結婚することにするものの、二人が惹かれあっていく過程がとてもよかった。しかし二人とも性格がある意味似ていて頑固。真面目であるが故に、周りの人たちの結婚生活を見ていて、そして偽装結婚というものから、本来の「結婚」の意味についても考えるようになってしまう。そんなテーマも盛り込まれていたと言える。

女性の地位もテーマに

本作ももちろん年下彼氏キュンキュン系なので、その辺が楽しみで視聴したというのもあるが、蓋を開けてみたら職場などでの女性差別問題というのもテーマとしてあった。
職場で奮闘する女性という意味では『理性的な人生 (理智派生活)』にもかなり共通する点があり、女性が割と社会に進出しているイメージの中国でも、実は大きな組織での昇進では男性の方が優位というのは日本と変わらないようである。

ただ、本作ではそれだけでなく、法律事務所を舞台としていることもあり、そこで取り扱う案件も、ある意味”女性の地位”というのを考えさせられるものもあり、なかなか興味深かった。
この地位とは仕事だけでなく、妻であったり母の部分も含まれる。あるいは生まれつきの身分にもよる。金持ちの娘も何人か登場するが、彼女たちも父親に甘やかされて自由に育っているものの、実は父親の商売の駒でしかなかったりする。

結局は男が支配している社会、そこになんとか変化をもたらせようともがくチン・シューの野望が、うまくヤン・ミーによって演じられていたと思う。

さまざまな女性像も描かれ、見応えあり

とまあ、ラブストーリーでありながらも、さまざまな女性キャラが登場し、なかなか面白いが、彼女たちが繰り広げる会話にも注目したい。
特にチン・シューと法律事務所のタン(唐)姐、またはリー・ダイとのやりとり。もちろん、私は英語字幕で観ているので、細かい中国語の表現などはわからないが、彼女たちの交渉の中における中国人のしたたかさというのが垣間見れた気がした。
ギブ&テイク、どこまで出して何を取るか、全てにおいて頭の中で算盤勘定しているのだが、表はニッコリ、猫撫で声。投げキッスもあり😂もちろん弁護士だから弁が立つだろうが、いやぁ、私だったら彼女たちとは仕事とか男の取り合いはしたくないなぁ(笑)。

ゴシップ好きのリー・ダイ。他のドラマでも彼女のことは見ていたが、今回は化粧が濃くて、すぐに気がつかなかった。
満面の笑みを浮かべてくれるものの、気が許せないタン姐。チン・シューと並んで一番計算高い。

そのほか、定番の子供の結婚にうるさい母親達はもちろん、さまざまな家族の形も描かれていて、変化に富んだ構成だったと言える。

最後の締めくくりはちょっと納得いかず

このように恋愛だけでなく、仕事にも焦点を当てていた本作、なかなかテンポが良く、結末の予想がつくとはいえ、そこに持っていくまで波瀾万丈で、面白かった。

ただ唯一、最後の最後の終わり方は良くなかった。それともハッピーエンドお決まりのエンディングをあえて避けたのだろうか。
その辺が納得いかなかったが、大人気のヤン・ミーとシュー・カイという組み合わせなので、日本でも配信されるようになったら、キャストも全員いいし、見応えがあるのでオススメしたい。シュー・カイは広東省出身だからか吹き替え率100%らしいが、本作は地声のようなので、彼の声を聞きたい人にもオススメ。

こちらが予告編。本当は挿入歌をリンクしたかったが、YoutubeではWeTVの動画は全て日本ではジオブロされているようなので、おそらくどこかが配信権取得済みと思われる。

日本でもLaLaTVで放送決定❗️

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