読んでもオモロイ演芸台本 新作浪曲『ブルー・ヘヴン』
●公演日:2020年4月11日(土)14:00〜
●会 場:十三シアターセブン(無観客収録)
新作浪曲『ブルー・ヘヴン』
ショートversion
口演:京山 幸太
曲師:一風亭初月
作 :石山悦子
人の運命(さだめ)は
いつの日も
光と闇との 裏腹で
行きつ戻りつ 転がりつ
辿り着いた その果ては
地獄か それとも
天国か
時は現在、令和の二年。ここは場末のラブホテル街、その一角にある一軒の宿。原色で塗りたてられた外観が明け方の光を受け白々と、荒んだ佇まいを晒しております。その宿の一室に駆けつけた二人の刑事。部屋の中は床一面、どろりと凝り固まった血がこびりつき、壁も霧でも吹いたように血が吹きかかり朱に染まってもの凄く。
刑事1「で、被害者はどこですか?」
刑事2「いないよ」
刑事1「えっ?どういうことですか」
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