石上博之

株式会社コーフライヤー代表。IBMとノバルティスにて人事の実務と組織のマネジメントを経…

石上博之

株式会社コーフライヤー代表。IBMとノバルティスにて人事の実務と組織のマネジメントを経験。組織のマネジメントの現実と、面白さと難しさに向き合っている方々を応援したい。プロセス・コンサルテーションを究めたい。より良い社会と組織を目指して。https://coflyer.co.jp

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  • 組織づくりについてのエッセイ

    組織づくりと人材育成とDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)について書いた記事をまとめています。

  • 株式会社コーフライヤーのこと

    株式会社コーフライヤーに関する記事やニュースをまとめています。

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チーム作り・組織開発、人材育成の仕事に関心を持ち、携わってきたことの原点

これが、初めてのnoteの投稿です。 noteを書こうと思い立ってアカウントを作成してから、1年以上も何も書かずに過ごしてきました。 だから、ここで書くのを諦めても誰にも何の支障もないわけですが、若干名の人たちの応援に背中を押されて、恥を忍んで書いてみることにしました。 自己紹介と、noteで書こうと思っていること手始めに、少しだけ自己紹介をします。 アメリカのIT企業で人材育成や採用を中心とした人事の仕事に関わった後、ヨーロッパの製薬会社に転職をして組織開発・タレントマ

    • 「支援学」(Helping)への招待 #2 - 支援とは、支援関係を築くこと

      前回の記事で、人を助けたり、人から助けられたりすることは、誰にとっても日常的で大切な営みなのではないか?ということに触れました。 シャインさんは「支援」をどのように捉えているのか。まえがきの冒頭にさっそく示されています。 シャインさんは、支援とは人間関係の基本であると言います。支援を提供する人と受ける人との間で、何かしらの物事を進めるための人間関係の基本形であると。私たちは、人に指示をしたり強制したりすることによっても物事を推し進める(長続きするかどうかは別として)ことが

      • 「支援学」(Helping)への招待 #1

        人を助けるとか、支援といった言葉から、どのようなイメージが浮かびますか?ボランティアや専門的な資格が必要な職業?余力がある時にできること?自分の仕事や日常生活とは関わりが薄いもの?でしょうか。 誰かと一緒に暮らしている人は、朝起きて相手の様子がいつもと違うことに気付いたら「よく眠れなかったの?」と声を掛けることでしょう。学校や職場で、友達や同僚から「何か手伝おうか?」と声を掛けられることもあるかもしれません。些細なことも含めれば、人を助けたり、人から助けられたりすることは、

        • 誰かの助けになるということ

          マネージャー、同僚、親、友人、教師、コンサルタントなどとして、自分の提案が相手に受け入れられなかった、もしくは、相手に受け入れられるのに時間を要したということはありませんか? ちなみに僕は、たくさんあります。そういう時は、この言葉の意味を自分のなかで深めながら、次に向けて学ぶ時だと思うようにしています。 メイヤロフは、ケアをされる側の成長に応じて(成長をよく観察することで)、ケアをする側が何をするかは「自ずと」導かれるし、ケアをされる側が自ら求めていることを選択できるよう

        • 固定された記事

        チーム作り・組織開発、人材育成の仕事に関心を持ち、携わってきたことの原点

        マガジン

        • 組織づくりについてのエッセイ
          16本
        • 株式会社コーフライヤーのこと
          5本

        記事

          「クライアントの変革リソースが増える」ということ

          今回は、コンサルタントの支援のあり方について、「クライアントの変革リソースが増える」という視点から考えてみたいと思います。 ここでは、変革リソースのことを、クライアントが目の前の新たな現実に対処する際に活用できる視点、知識、考え方などであるとします。 あらためて、支援とは何か?エドガー・シャインさんの『謙虚なコンサルティング』(英治出版)という本のなかで、監訳者の金井壽宏さんが、シャインさんの言う「本当の支援」の意味するところを簡潔にまとめています。 表面的には当たり前

          「クライアントの変革リソースが増える」ということ

          年始のご挨拶と、「より良い組織づくりの支援」について考えてみたこと

          新年おめでとうございます。皆さまにとって、健やかで豊かな一年となりますように。本年もよろしくお願いします。 2023年の最初の投稿では、コーフライヤーの事業の中心である「より良い組織づくりの支援」に関して、私たちのあり方について書いてみようと思います。 それにあたり、僕が敬愛しているMITスローン経営大学院名誉教授のエドガー・シャインさんの力を借りたいと思います。『謙虚なコンサルティング—クライアントにとって「本当の支援」とは何か—』(英治出版)という本からいくつかの言葉

          年始のご挨拶と、「より良い組織づくりの支援」について考えてみたこと

          「チームワークとリーダーシップを育む」ということ

          昨年に続き、横浜市立大学(YCU: Yokohama City University)の「プレ・インターンシップ科目」の一部を担当する機会をいただきました。 担当パートでは、チームで企業研究を行うという演習を通して「企業研究」と「チームワーク」を学んでもらうことを目指しました。 今回のnoteでは、講義の内容を振り返りながら、「チームワークとリーダーシップを育む」ことについて考えてみたいと思います。 YCUのプレ・インターンシップ科目とは?YCUには、学部1年生の頃から

          「チームワークとリーダーシップを育む」ということ

          「筑波大学ILC」と「マジョリティの特権」と「安心な対話の場」をめぐる小さな旅

          先日、「筑波大学インクルーシブ・リーダーズ・カレッジ」の1コマで、「マジョリティの特権」をテーマとしたワークショップを企画し、ファシリテートする機会に恵まれました。 今回は、このワークショップを実施する一連の過程から感じたこと、学んだことを書きたいと思います。 「筑波大学インクルーシブ・リーダーズ・カレッジ」(筑波大学ILC)とは?筑波大学ILCは、「『Diversity / Inclusion /Trans-creation(多様・共生・共創)』をキーワードとして、現代

          「筑波大学ILC」と「マジョリティの特権」と「安心な対話の場」をめぐる小さな旅

          誘ってもらった冒険に応じられるよう、できる準備をしておこう

          先日、誘われて、初めて「哲学対話」に参加しました。 今回のnoteでは、哲学対話に参加して得た気づきなどについて書いていきます。 哲学対話とは?哲学対話では、与えられたテーマをめぐって、参加者が自由に考え、意見を伝え合います。 テーマが決められている場合もあれば、その場に集まった参加者でテーマを決める場合もあるようです。 今回の哲学対話では、次のテーマがあらかじめ参加者へ伝えられていました。 「あなたの人生において冒険とは何ですか?」 前もって何か考えておくべきだろう

          誘ってもらった冒険に応じられるよう、できる準備をしておこう

          人事パーソンとしての自分を深く支えている3冊

          今回は、人事に関わる自分を深く支えている3冊について書きたいと思います。 いずれも、企業人事として働いていた頃から独立して現在に至るまで、折に触れて手に取る本です。 『知識創造企業』 野中郁次郎/竹内弘高 (東洋経済新報社)「人や組織の可能性を開く人事の仕事は、知識社会における企業活動の根幹を支えている」 この本のおかげで、人事領域に携わる自分の仕事の意義を、そのように考えられるようになりました。 著者たちは、日本企業の製品開発の事例研究から、企業がイノベーションなど

          人事パーソンとしての自分を深く支えている3冊

          「あと一人」のニーズに応えることで、お客様から「安心」を買っていただいている

          10月から始まるコーフライヤーの5期目を前にして、メンバーと創業から4年間のプロジェクト事例を振り返る機会を持ちました。 分かったことは、「コーフライヤーは、お客様から安心を買っていただいている」ということでした。 今日のnoteでは、コーフライヤーの提供価値(バリュー・プロポジション)について考えたことを書いてみたいと思います。 提供価値(バリュー・プロポジション)を見つめ直す創業からのプロジェクト実績を見直すことになったわけですが、一人で事例をまとめようとすると、い

          「あと一人」のニーズに応えることで、お客様から「安心」を買っていただいている

          社内でアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)やってみた、ときのこと

          私たちは、自身のことを、次のような言葉で表現しています。 私たちは、より良いチームづくりのための、愉快なる学びの場であり、ともに成長を目指す伴走者です。 今回の記事では、この表現にたどり着いた経緯とその際に使った手法を振り返り、4期目の抱負を言葉にしてみたいと思います。 読んでくださった方にとって、組織のパーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を考えるとはどういうことかについて、考える材料になりましたら嬉しいです。 こんなふうに、「より良いチームづくりのため

          社内でアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)やってみた、ときのこと

          コーフライヤーのサービスに込めた思いと考え方

          今回は、コーフライヤーのサービスに込めた思いと考え方について書いてみたいと思います。 僕は、コーフライヤーの仕事とは、「組織開発、サービスデザイン、D&Iの価値観・知識・手法を大切にしながら、チームや組織の知識創造をお手伝いすること」だと考えています。 あえて図解すると、このようなイメージです。 ここからは、なぜ、そのように考えているの?という点を、僕自身のキャリアと重ね合わせながら説明をしてみたいと思います。 知識創造理論との出会い新卒で入ったコンサルティング会社の4

          コーフライヤーのサービスに込めた思いと考え方

          創業から丸3年を迎えるコーフライヤーから、あらためてご挨拶申し上げます。

          株式会社コーフライヤーは、この9月末で設立から丸3年になります。 3年も経ちますと、注力したいサービスも変わってきましたので、ウェブサイトをリニューアルしました。 ここから3回くらいに分けて、4年目を迎えるコーフライヤーについてお伝えする予定です。 今回は、コーフライヤーを始めた理由・きっかけ・思いなどを書いてみたいと思います。 どうぞお付き合いください。 祖父の生き方への憧れがあった自分で会社を始めようと思った理由の一つは、個人的なキャリア観に根ざした動機で、祖父への憧

          創業から丸3年を迎えるコーフライヤーから、あらためてご挨拶申し上げます。

          リーダーやマネージャーや人事にとって、「問い」を考えることは大切だと思う

          僕はロジカルシンキングに苦手意識がありました。 元々は、「あーそれいいね、やってみようか」とすぐに言いたいタイプです。 もちろん、それで済ませられる場面ばかりではありませんので、大学時代の恩師とか、大学院時代の恩師とか、新卒で入った会社の先輩方に随分と鍛えられました。 そのおかげで少しばかりはマシになった、はずです。 ところで、「考える」という行為には、その前段に「問う」という行為があります。 今日は、この「問う」ということについて書いてみたいと思います。 「問う」ことは

          リーダーやマネージャーや人事にとって、「問い」を考えることは大切だと思う

          僕たちは、しばしば誤って物事を見ている(かもしれない)という話

          前々回の記事で、物事や人のことを「どのように見るか」ということを書きました。 僕たちは仕事を含む日々の生活で、それこそ、一日の中で何千回と(数えたことはありませんが)、大小さまざま何らかの判断をして生きています。 だけれども、振り返って思うのは、そうして下した自身の判断について省みることは、すごく意識をしていないと、なかなかできないことなのだと思います。 やっかいな人?仮に、部内で新しい取り組みを始める際に、必ずと言って良いほど、事細かに具体的な進め方を確認する方がいるとし

          僕たちは、しばしば誤って物事を見ている(かもしれない)という話