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老犬日記 (17歳おめでとう)

6月、我が家のアイさんは17歳になった。立派なお爺ワンである。
目もあまり見えず、耳も遠く、足腰も弱くなった。
顔もだいぶ白くなり、髭も減った気がする。
ピンク色の鼻には沁みも増えて、背中も少し丸くなってきた。人間の老いと一緒だなぁと思う。

若い時は「大型犬か?」と思うような太い声で吠えたものだが、耳が遠くなったせいか、もう吠えることもない。たまに淋しい時に「ひゅんっ」と鼻を鳴らすくらい。
それすら珍しいので「鳴いた!鳴いた!」と家族で騒ぎになる。

数年前から膵臓と腎臓が悪く、てんかんの薬も飲んだり。
その薬が嫌いで嫌いで。最近では飲んだ振りして口を閉じ、我々が立ち去ってからペッと吐き出すという高等技術を身につけた。さすが17歳にもなると人間の隙をつくのも上手い。

Mダックスにしては骨太で大柄だが、膵臓を悪くしてから徐々に体重が落ち、ここ半年で一気に痩せてしまった。撫でると切なくなる。
二日も三日も食べないことがあって「これは本格的に危ないか・・・」と何度も思ったけど、その度に復活して不意に食べ出す。
若い時は食べ物への情熱がすごくて、食べられる物から食べられない物まで何でも口に入れようとするので、本当に手を焼いた。
だからまさかアイさんに「お願いだから食べてー」と頼む日が来るとは思わなかった。ちょっと淋しいけど、とにかく今は好きな物を召し上がって頂いている。

トイレは辿り着けずに粗相をすることも増えた。辿り着いたとしても、グルグル回っているうちに方角を見失うらしい。「あれ遅いな」と思って見に行くと、途方に暮れた顔で立ち尽くしていたりする。
なので、たいてい誰かが付き添うようになった。

昔はダイニングテーブルにも平気で飛び乗っていたけど、今では甘えたい時に人間に飛びつくこともできない。
そこで甘えたい時には鼻先を人間の脛にグリグリこすりつける方法を編み出した。数少ないアイさんからの感情アピール。抱き上げると「うふ」と言うような顔をして、ポサッポサッと尻尾を振る。
老犬は本当に穏やかで平和的で、可愛いの塊だ。

ここ一週間は体調も食欲もまぁまぁ安定...
と思っていたら、今日はまた何も食べない日。
老犬の体調はなかなか読めない。
今はシャンプーするタイミングを悩み中。
今日は天気が悪いから、来週末に洗えるといいな。
本犬はお風呂嫌いなので、望んでないだろうけどね。

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