20年以上前の○○○
親父が亡くなってからずいぶんと年月がたちましたが、工場はいまでも親父と一緒に仕事をしたときのままです。あれから何年経ったかわかりませんが、包丁を作る機械類もずいぶんと年寄りになってきて一昨年くらいから故障や破損がおこるようになってきました。
包丁を鍛造するベルトハンマーはまだ丈夫ですが、おそらくこれがぶっ壊れたら鍛冶屋としては終わりかもしれません。
というのも、もう鍛冶業界は衰退の一途ですからベルトハンマーを作っている会社もほとんどなく、新品で買うにしてもリスクの高い投資になってしまいます。
包丁の柄を作る会社もだいぶなくなりました。砥石の会社も同じです。今まで使っていた天然砥石は販売をやめるということで、在庫はぜんぶ買い占めました。この砥石がなくなるまでは私も現役でいられるでしょうけど、無くなったら終わりです。
考えてみれば、加美町には11軒の鍛冶屋さんがあったわけですが、それが今や私1人ですから、それに付随した産業も先細っていくのも当たり前のことです。
当時は、どこの鍛冶屋さんも鎌の製作がメインで農繁期になるととても忙しく毎日毎日、鍛造ばかりしていた記憶があります。
しかし、現在はコンバインがメインで「すまっこがり」と呼ばれる田んぼの四隅をかるときに鎌を使うくらいのもんで、それ以外で使う用途もなくなりました。
現在、家を建て替え中なのですが、倉庫を整理していると懐かしいパンフレットがありました。住所が加美町となっているので20年以上前のパンフレットです。正確にはパンプレットに写っている親父の顔からしてもっと古いパンフレットだと思います。
この頃は鹿島神社で「ふいご祭り」も行っていましたが、鍛冶職人の減少とともにイベントもなくなりました。
ちょっと懐かしいのでここに紹介したいと思います。
そろそろ稲刈りの時期ですね。大量に鎌は在庫しておりますので、ご入用の方はお気軽にご連絡ください。それでは、また明日。
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