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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第3節・京都サンガF.C.戦)

 3月9日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで京都サンガF.C.戦です。

 去年、京都とはアウェイで1-0、ホームで3-3と1勝1分。シーズン終盤に対戦した等々力での第32節では3-3という殴り合いとなったのは、まだ記憶に新しいかもしれません。

 試合に向けたオンライン取材。
鬼木監督に今シーズンの京都の印象を尋ねたところ、曺貴裁監督が継続して指揮をとっているということもあり、「去年の印象が強い」と言います。

「去年の印象が強いですが、今年も開幕からの2試合で多くのチャンスを作っています。それはアグレッシブな姿勢から生まれているものが多いので、これをやれば止められるというのは、そう多くないと思います。自分たちがどれだけ主導権を持ってサッカーができるかというところです」

 京都の攻撃の狙いを見ていると、つなぎにはそれほどこだわっていない印象です。高い位置からのプレッシングを受けると、比較的早い段階で、後ろからのロングボール主体で組み立ててきます。

 ただ最終ラインにいるスイスリーグから復帰した左SB・鈴木冬一の前線へのフィード力は高いですし、前線には左ウイングにハイタワーの原大智、中央にはマルコ・トゥーリオもいます。そのこぼれ球に対する中盤のセカンドボール争い、そしてトランジション合戦に持ち込もうというスタイルでもあります。川崎からすると、ボールを手放して肉弾戦が多くなる展開には持ち込ませたくないところです。

 となると、ポイントは何か。
もちろん、その肉弾戦を厭わないのも重要ですが、それ以上に自分たちがしっかりとボールを保持して敵陣でサッカーをし続けることです。そして奪われたら、即時奪回で回収する。まず目指すべきは、そこになるでしょう。鬼木監督が言う「自分たちがどれだけ主導権を持ってサッカーができるかというところ」になる、というわけです。

 今回のプレビューでは最終ラインの入れ替えとビルドアップに詳しく言及していますが、自分たちがボールをしっかりと保持し続けるためには、そこがポイントですからね。

もちろん、90分間、攻め続けることは無理です。だから我慢の時間でしっかりと耐えることも大事になります。守るべきところで淡白に失点しないこと。磐田戦では、前半30分までに3本のシュートで3失点しました。我慢強さもポイントになると鬼木監督が言います。

「あとは必ず我慢の時間があると思います。そういう時に一つになって、しっかりと我慢強く戦う時に戦えるか。そういう形で積み上げていくことが自分たちのところで非常に重要だと思っています。受けないことが非常に重要になってくるかな、と思っています」

 ただ、相手ばかりを気にして自分たちの良さがなくなってしまっては意味がありません。やはり自分たちが主導権を持ってやること。順番はそっちだと言います。

「我慢が重要だと思います。ただ順番としては自分たちが主導権を握って、前に前に行きたい。相手は前から来るチームなので、自分たちも前に行くことが重要だと思っています」

ホーム等々力での試合。勝てば、ホームJ1通算200勝だそうです。

(前節のレビューはこちらです)

では、ここまでが前置きでここからが本題です。ラインナップはこちら。


ではプレビューのスタート!

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