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「勝負を分けるのは何か?」 (ACLラウンド16・1stレグ/山東泰山戦:3-2)

 済南オリンピックスポーツセンターで行われたACLラウンド16の1stレグ・山東泰山戦。川崎フロンターレにとって今季初の公式戦となりました。

 試合は3-2で勝利。
敵地での1stレグを白星で飾りました。ピッチ状態の悪さや、やりにくいアウェイの環境、さらに相手のラフプレーによる肉弾戦による消耗や、終盤のパワープレーの圧力など、試合内容に目を向けると「自分たちのスタンダード」を表現できないゲームでもありました。そういう意味で、2024年の鬼木フロンターレの初陣は、内容的に特筆すべきことが多かった試合ではなかったとも言えます。

 それでも、実力の片鱗を見せてPKを決めたエリソン、豊富な運動量と技術、そしてゴール前に入っていく推進力を見せた山本悠樹、復調を感じさせるパフォーマンスだった佐々木旭とジェジエウ、相変わらず頼もしいセービングを見せるソンリョン、すでにトップコンディションに近いような切れ味を見せているマルシーニョと、個人の仕上がりはポジティブな材料がありました。

 何より、海外のアウェイで、苦しい試合を勝ち切って帰るということ。こういう経験は選手をたくましくしますし、何よりチームを一つにしますからね。

というわけで、山東泰山戦を振り返っていきたいと思います。

ただ最初の公式戦ということで、チーム作りの方向性やメンバー選考の部分にも言及してから試合を語りたいと思います。


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