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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第9節・東京ヴェルディ戦)

4月20日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで東京ヴェルディ戦です。

試合当日の4月20日、鬼木達監督は50歳の誕生日を迎えます。試合日と誕生日が重なることは珍しく、鬼木監督が監督になってからは初めてです。監督初年度の2017年が誕生日翌日に試合があったぐらいですね。

今週の麻生グラウンドでは、報道陣から誕生日ケーキでお祝いさせていただきました。鬼木監督も驚いてましたが、「勝ちたいですよ」と笑顔で力を込めてました。

 とはいえ、実際のピッチで頑張るのは選手達です。
現在2連敗中。しかも3試合連続無得点と川崎フロンターレは苦しんでいます。その中で選手はチームのため、サポーターのため、家族のため、自分のため・・・いろんな思いを持って必死に勝利を目指しています。

でも一度ぐらいは「監督のために」という気持ちで勝利を目指しても良いんじゃないでしょうか。そんな空気の等々力であっても良いと思ってます。

 さて。
東京ヴェルディと対戦するのは、2008年以来となります。公式戦(天皇杯)ならば2022年、2013年に経験がありましたが、リーグ戦となると16年ぶりです。

 ちなみに前回リーグ戦で対戦した2008年を知るフロンターレの選手は現在チームにいません。安藤駿介(2009年入団)、小林悠(2010年入団)、大島僚太(2011年入団)ですからね。いかに昔の話だったのか。

 僕個人のことに関して振り返ると、2008年はサッカー専門新聞「EL GOLAZO」(通称:エルゴラ)の東京ヴェルディ担当として取材していました。

 このシーズンは最終節の結果でJ2に降格してしまい、その後J2での生活に。2024年にJ1復帰するまで16年もの時間を要したわけですが、降格の決まった2008年の最終節の相手は、実は川崎フロンターレでした。

残留がかかっていた東京ヴェルディと、逆転優勝の可能性があった川崎フロンターレ。最終節の試合は、前半で福西崇史が退場となり(この試合で現役を引退したので、これがJリーグの現役ラストマッチとなった)、東京ヴェルディは前半から10人で懸命に耐える展開という構図に。

 それでも後半に、粘っていた守備をこじ開けられて、ついに失点。しかし、残留のライバルであったジェフ千葉が、FC東京に0-2で負けているという途中経過により、このままならば、負けて終わっても自動降格は免れる・・・・そんな展開だったのですが、残る十数分となったところで、まさかの急展開。

 2点負けていたジェフ千葉がFC東京に追いつき、しかも逆転。この情報が入った東京ヴェルディのベンチは慌てて得点を奪いに活かせる指示を出しますが、如何せん10人での戦い。守備にほとんどのパワーを使っています。気力を振り絞って攻撃に出ていくものの、逆転優勝を目指すフロンターレも最後まで攻め続け、ラストプレーでは中村憲剛に豪快なミドルシュートを決められて万事休す。

 試合は0-2でタイムアップとなり、ジェフ千葉が残り数分の大逆転で勝利した結果、勝ち点で抜かれ、勝ち点で並んでいたジュビロ磐田との得失点差の末、東京ヴェルディが自動降格の17位に転落に。天国から地獄に落とされるとは、まさにこのことでした。復帰してわずか1シーズンで東京ヴェルディはJ2に戻ることが決まりました。

 ちなみに、この年はいつになく残留争いの勝ち点ラインが高く、例年は勝ち点30前後がボーダーで、だいたい34(要するに、1試合勝ち点1平均)あれば、まずセーフティーを言われています。しかしこの年の東京ヴェルディは「37」で自動降格となりました。最後のほんの十数分間で、シーズン通じて積み上げてきたものもひっくり返されてしまうというのは、なんとも悔しいものです。しかし、一年間に積み重ねた数字のみで決まった公平な結果ですから、受け入れるしかありません。

 1年でJ2降格が決まったことで、この日、東京ヴェルディサポーターは味スタにとどまり、フロントに対する抗議を行っています。12月の味スタのゴール裏で社長が出てくるまで抗議したんです。報道陣も残って見守っていたわけですが、結局、7時間にわたって抗議の立てこもりが続き、日付が変わる0時まで続きました(最後にフロントが出てきて説明)。

 0時過ぎにようやく味スタを出て、体が冷えすぎていたのでお風呂に入り、そこからは朝までひたすら原稿書き。なんとか頭の中を整理して降格をテーマにした原稿を徹夜で書いたのを覚えています。きっつい仕事だなぁ、と思いましたね。

 振り返ると、2009年途中に川崎フロンターレ担当になるまで、2007年にはJ1昇格、2008年にJ2降格、そして2009年に再びJ2の戦いになり、その後の経営危機も乗り越えながら・・・という時代になっていくわけですが、あのジェットコースターのような激動の転換期を取材できていたことは、かけ甲斐のない経験になっています。

 あれから16年。
J1の舞台で東京ヴェルディが等々力で試合をするのは2008年の開幕戦以来となります。当時はフロンターレに帰還したフッキが出ていた時代ですね。

・・・・なんだか思い出話が止まらなくなってきました・笑。過去ばかり振り返っていても仕方がないので、試合の見どころを語っていきます。

ラインナップはこちらです。


なお、前節のレビューはこちらとなっております。後日取材による追記もたくさんあるので、ぜひどうぞ。

では、プレビューのスタートです!!

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