石川英明

組織開発が専門。主な興味は、対話、コーチング、ファシリテーション、ポスト資本主義、AB…

石川英明

組織開発が専門。主な興味は、対話、コーチング、ファシリテーション、ポスト資本主義、ABC理論、禅宗、量子力学、キャリアデザイン、ヒンズー教、臨床心理学、学習する組織、成人発達理論、ポジティブ心理学、リーダーシップ、ビジョナリーカンパニー、ホラクラシー経営、複雑系、自己組織化など。

最近の記事

利益=売上-コストは本当か?

■「会社」の存在意義は何か?     いきなりですが、会社の本質は「価値」を創出するところにあると考えます。    例えば、営業は得意だけど制作はできない。 制作は得意だけど、営業はできない。 その二人が「会社」を作ると、相乗効果が生まれます。 これは【価値】です。     スーパーなどの大企業が、大規模に需要予測を行い仕入れを行うと、安定した流通が可能になります。これは大きな【価値】です。 日本では、スーパーに行けば、基本的な野菜は常に手に入れることができます。そして、価格

    • 自己開発読本

      1.はじめに 2.悩みの解決方法~ABC理論 (ア) ABC理論という原則。 3.自己実現のプロセス (ア) ユング心理学~魂は成長を求めている (イ) 輪廻転生という仮説 4.思い込み/個性/愛の三層構造 (ア) 人間は思い込み/個性/愛の三層でできている。 (イ) 思い込みをアンラーニングする 5.母性と父性 (ア) まずは母性が大切 (イ) フォーカシングという技術 (ウ) 父性は母性のあと 6.大調和 (ア) 小調和 (イ) 自己犠牲と自

      • 社会開発読本

        1.はじめに 2.対話できる社会へ 成熟した民主主義 3.今の社会の問題点 資本主義 個人主義・所有の概念 成長主義・拡大主義・ 金利が私たちにもたらず現実的な影響 余白はどこへ消えた?富の集積と分配 市場原理・新自由主義・弱肉強食 GDP 科学主義・計測主義 豊かさとは何なのか? 都市化の問題 議会制民主主義 4.お金に向き合う 金本位制の崩壊、お金の変遷 FRB・中央銀行システム・金利 ドル建てで貿易するということ 国際競争の中にいるという現実 外国人投資家比率・巨

        • 旧来型組織の課題①~目標の設定方法

          ■主体性、創造性、モチベーション3.0の重要性 主体性の高さというものはとても大切です。古くはフランクリン・コヴィーの「7つの習慣」でも、主体性の高さの重要性が説かれています。 ダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」でも、主体性創造性の高さの重要性が指摘されています。そして金銭的報酬によるアメとムチの管理(モチベーション2.0)が、むしろ人間の創造性を阻害してしまうことを伝えています。 ビジネスにおいて、社員一人一人の主体性や創造性の重要性は日に日に高くなっています

        利益=売上-コストは本当か?

          中央集権型組織と自律分散型組織

          中央集権型組織は、株主資本主義との相性がいいのです。 株主資本主義は「株主の利益」という目的が一つであり、ハッキリしています。その目的達成のために「手段として組織をつくる」場合には、これはもう中央集権型組織一択だという感じになります。 中央集権型組織は、明確なヒエラルキー構造を持ちます。 株主が一番偉いのです。所有権、命令権を持っています。株主は、自分の意にそぐわない経営者を即解雇することができます。経営者、従業員に「命令」をすることができます。異動の命令、出向の命令、

          中央集権型組織と自律分散型組織

          「リスクをとる」ということ

          「リスクをとって株式投資をする」ということと「毎日汗を流して勤労する」ということと、どちらの方が素晴らしいことでしょうか? 少なくとも現在の経済システムでは、前者の方がお金持ちになれます。 経済評論家の山崎元氏は「経済評論家の父から息子への手紙」の中でこう喝破しています。「リスクをとった投資家は、労働者の利益をピンハネする権利がある」「リスクをとらない労働者は、不利な側へ不利な側へ追いやられる」 https://diamond.jp/articles/-/341324?p

          「リスクをとる」ということ

          そもそも会社(組織)は何のために存在しているのか?

          そもそも会社は何のために存在しているのでしょうか? 古くは岩井克人氏が「会社は誰のものか」という問いで、2005年に出版されています。 「株式会社は利益を創出するために存在する」と長い事考えられてきました。そしてそれは「会社を所有している株主に利益を還元するため」であり、これは株主資本主義と呼ばれたりしています。 しかしこの「株主の利益のために会社は存在する」という考え方は、時代を超えた普遍的なものではありません。世界的に見ても変化はあり、日本においては、戦後、特に19

          そもそも会社(組織)は何のために存在しているのか?

          組織開発読本

          目次 1.はじめに 2.そもそも会社(組織)は何のためにあるのか? (ア) 株主のために存在する。株主資本主義 (イ) ステークホルダー資本主義 (ウ) 競争原理か調和原理か 3.中央集権型組織と自律分散型組織 (ア) 中央集権は、モチベーション2.0、命令と評価、アメとムチの世界 (イ) 中央集権型組織のメリットと限界 (ウ) 自律分散型組織は、モチベーション3.0、一人一人の主体性、Teal組織、ホラクラシー経営、やらせるとやらされる (エ) 愚痴。損

          組織開発読本

          損得勘定するのもったいない

          愚痴です。 会社員の人に「何のために働いているのか?」と聞くと「お金のために働いている」と答える。続けざまに「稼がなくていいくらいお金があるなら仕事なんかしたくない」と言われる。悲しいかぎりだ。 世の中ではビジョンだミッションだパーパスだと言っているが、実際に働いている人たちの本音はそんなもんだ。泣けてくる。 確かに、お金を稼いで、家賃を払って、旅行なんかもして、そっちの「お金を使う」方が楽しみであって、目的であって、仕事というのはお金を稼ぐ手段でしかない、という考え方

          損得勘定するのもったいない

          期待について

          「期待が愛を殺す」という表現があって、それは確かにそうだなぁと思うところです。 怒りは「期待が満たされないところ」に生じます。 結構「ああ、怒ってるんだなぁ」と思う場面に遭遇することはありますが「もっと世の中はこうあるべきなのに!」「もっと上司はこうであってほしいのに!」みたいな期待が満たされずに、だから怒っているとうような場面です。 私の好きなヒンズー教のある本では「私は一切期待していない。ただ愛している」という表現があります。 これは師匠が弟子に対して言うセリフな

          期待について

          AI後の世界をどうするか

            ChatGPTの出現によって、シンギュラリティといったなんとなくの概念でしかなかったものが、リアリティをもって想像できるようになってきたと思います。     「人間に残るものは何か?」ということはずっと考えてきました。       例えば、スポーツ。これは人間社会においてずっと残っていくような気がしています。どれだけロボットが上手にテニスをできるようになったとしても「自分がテニスをする喜び」はなくならないな、と思うわけです。   ウィンブルドンに人型ロボットが出てきて、人

          AI後の世界をどうするか

          2023年から10年間のシナリオ2パタン

          ■Aシナリオ   AIやロボットの隆盛はあっという間に来た。 人類の大半は、知能指数という面ではAIに敵わなかった。 大学を卒業していても、ChatGPTに勝てる質・スピードで上司に質問に答えられない。これでは仕事にならなかった。   タクシー運転手も失業したし、トラック運転手も失業した。 ホワイトカラーの多くも失業し、世の中が失業者で溢れかえった。       政府は、大幅な財政出動をするほかなく「国の借金」と言われるものはさらに増えていった。COVIDのパンデミックの時の

          2023年から10年間のシナリオ2パタン

          社会システム研究⑩~アメリカとの関係

          この記事もこの後書きます。(2023.4.3現在)

          社会システム研究⑩~アメリカとの関係

          社会システム研究⑨~人類の歴史をどう解釈するか?次の社会システムは?

          この記事も今後書きます。(2023.4.3現在)

          社会システム研究⑨~人類の歴史をどう解釈するか?次の社会システムは?

          社会システム研究⑧~地産地消と貿易

          地産地消と貿易についてはまた後日記事を書きます(2023.4.3現在)

          社会システム研究⑧~地産地消と貿易

          社会システム研究⑦~特許と富の移転の問題

          今の社会において、非常に考えなければいけない概念の一つが「特許」だと思います。 2023年現在「AIの発展により、大量の失業者が出る」というような不安を煽る文言をよく目にします。ChatGPTの衝撃で、より多くの職が「自分たちの職種はなくなってしまうのではないか?」と思ったことでしょう。 ■例えば「団子職人」が1日100個の団子を作り1個100円で販売し、1万円の売上を得ていたとする。月に20万円、年に240万円。そういった職人が全国各地に100人いて、業界としては2億4

          社会システム研究⑦~特許と富の移転の問題