宮崎産マンゴー

宮崎産マンゴーがトップブランドになった理由【連載5】

3.糖度15度以上、一玉350g以上の独自基準

3)「太陽のタマゴ」効果で宮崎産マンゴーも品質が高いと評価

厳しいブランド認証基準による高級ブランド化は副次的効果を生む。ブランド認証からはじかれた宮崎産マンゴーにとっても「太陽のタマゴ」ブランド認証はメリットが大きい。


宮崎産マンゴーの内、「太陽のタマゴ」ブランド認証を得られるのは限られている。つまり供給が少ない。「太陽のタマゴ」の認知度が上がれば上がるほど需要は拡大する。


「太陽のタマゴ」は希少性が高くなり常に品薄状態になる。「太陽のタマゴ」を取引したい卸業者、仲卸業者、小売店や購入したい消費者は、品薄の「太陽のタマゴ」が入手できなければ、トップブランド「太陽のタマゴ」より入手しやすいセカンドブランドの「宮崎産完熟マンゴー」を購入する。「太陽のタマゴ」が品薄だから簡単に沖縄産マンゴーへ切替えない。


トップブランド「太陽のタマゴ」により宮崎産完熟マンゴーも品質が高いと判断されているからだ。


宮崎産マンゴーが、総合評価が高かったものの宮崎産、沖縄産(宮古島産)の品質分析データを比較してもその差はわずかで歴然としていない。

品質が同じ程度の沖縄産マンゴーと比較した場合、宮崎産マンゴーの評価が高いのは、トップブランド「太陽のタマゴ」として確立しているからだ。東京都中央卸売市場での初競り状況、市場での評価価格からみると宮崎産マンゴーは、沖縄産マンゴーの2.5倍くらい高い値段で取引されている。品質も2.5倍以上違うのかというとそうではないことはデータからも明らか。


品質評価の差というより、「太陽のタマゴ」というブランド力の差と言っていい。
生産農家にとって非常に高いハードルになったが、「太陽のタマゴ」は厳しいブランド認証基準により高級ブランド化に成功したといっていい。

4)評価基準高いからブランド力アップするとは限らない


さて、国産マンゴー生産量日本一の沖縄は、宮崎に対抗すべく2012年(平成24年)に「美らマンゴー」を商標登録した。「美らマンゴー」認証基準は、2013年以降に沖縄県農業協同組合が定めており「太陽のタマゴ」よりハードルが高いといわれている。

【美らマンゴー認証基準】
・糖度:15度以上
・大きさ:3L(450g)以上
・色:真紅 注9)

ただ、「太陽のタマゴ」より「美らマンゴー」の方が、認証基準が高いからという理由で簡単に市場での評価が短期間に高まることはない。「美らマンゴー」商標登録は2012年で認証基準は2012年以降に定められた。

「太陽のタマゴ」認証基準1998年、商標登録は1999年なのでブランドとしては宮崎「太陽のタマゴ」が約14年のアドバンテージがあるといってもいい。


市場では評価基準があり、現在「太陽のタマゴ」が基準となっている。つまり「太陽のタマゴ」の評価基準価格が決まり、沖縄の「美らマンゴー」や他の産地のマンゴー価格が相対に似決まる。評価価格はよほど大きな出来事が無い限り一気に縮まることはない。

→連載6につづく


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