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『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン)ブックレビュー

前回読んだ、『経営12カ条』(稲盛和夫)に度々登場した“謎のイギリス哲学者”ジェームズ・アレン。気になったので代表作と称される本書を読んでみました。こうやって数珠繋ぎで本を読んでいくのって、大学のゼミで論文書いてた時を思い出すのよね。

さてさてこの本。各種“稲盛本”よろしく、要は『あらゆる「結果」(人生、環境、仕事の成果etc)はすべて「原因」(=自分の思い)のとおりに現れる』、というもので、目を背けたい現実を惜しげもなく書き我々に言い訳の余地をなくさせる。
訳者の前書きでは、

『歴史上もっとも読まれた自己啓発書』
『聖書に次ぐベストセラー』
『近年の自己啓発書のほとんどは、アレンのシンプルな哲学に事例をくっつけて複雑化したものに過ぎない』(P3)

とそれはそれは大それたことが書かれていたんだけども、実際そのとおりで、めちゃめちゃシンプルな内容。ただこれね、読んだ時期がよかったな。学生時代に嫌々読んでたら
“なにこれ、綺麗ごとじゃん”
“てか当たり前じゃね?”
で終わってたと思うんだけど、35歳になって年齢的な問題とか仕事上のやり取りとかで色々“当たり前”ができていない現実に直面した今、そして稲盛さんの本とかでワクワク楽しみながらようやくここに辿り着いた今読んだからこそ、、、染みました。
レビュー行ってみましょう。


第1章:思いと人格

・みずからの試みと経験と分析によって、自分の内側で機能している「原因と結果の法則」を認識できる(P17)
・「人間は自分の人格の制作者であり、自分の環境と運命の設計者である」という真実(P18) 

第2章:思いと環境

思いと人格はひとつ。人格は環境に表れるが一方で、環境は人間を創らない(P26)
・「環境と戦う」とは、自身の内側で「原因」を養い、その側の「結果」に戦いを挑むことであり、真の意味での自己犠牲を払うこと(P28)
・宇宙が正義と公平さ(=秩序)で成り立っていることは、自分自身を正すことで理解できる(P37)
自分の思いを完璧にコントロールすることで、間接的に環境をコントロールできる(P40)

 ⇒『環境は人間を創らない』ってなかなかいい言葉だわぁ~。んで、『思いで環境を変えられる』と。
この本ってあらゆる言い訳を排除してくるけど、その代わりあらゆる人に『だからあなたも今の環境はいつでもあなた自身で打破できるんだよ!』みたいなメッセージもどこか感じる。

第3章:思いと健康

・自分の心を守ることで、自分の肉体も完璧な状態になる(P47)
愛を巡らし、好意を抱き、楽しく接し、忍耐をもってあらゆる人の中に良いものを探し続けることは天国への王道(P49)

⇒『天国への王道』って言葉がパンチライン過ぎて興奮したわ笑
奇しくも僕の今年の目標は『王道の試行錯誤』だからね。天国への王道、目指してみましょう。

第4章:思いと目標

・理にかなった人生の目標を心に抱き、その達成を目指せ(P53)
・弱さが克服されるまで繰り返される失敗を通じて心が強くなり、成功への礎となる。大きな目標を発見できないでいる人は、まずは目の前にある自分がやるべきことに思いを集中せよ(P54)
・目標に向かうパワーは、「自分はそれを達成できる」という信念から生まれる。疑いや恐れを克服せよ(P57)

⇒目標をもって、邪念を捨てて取り組めと。
面白かったのは、目標を発見できていない人はとりあえず目の前のやるべきことをやれって箇所。これめちゃめちゃ思い当たる節がある。学生時代。特に将来の夢が見つからなかったとき、とりあえずひたすら勉強してたんだよね。そうしたら、文理選択とか受験とか資格取得とかに役に立って、結果的に就活やらにも役立ったんだから。うん、『目標が見つからないなら、とにかくやるべきことをやれ』、そういやなんかドラマ『女王の教室』でも言ってたな笑

第5章:思いと成功

・弱さとは身勝手な欲望から発しているものであるため、成功を目指すなら欲望を犠牲にせよ(P64)
・成功を手にできないでいる人たちは、自分の欲望を全く犠牲にしていない人たちである(P67)

⇒このあたりが、『経営12カ条』(稲盛和夫)のP101にそのまま出ていた箇所だね。 

第6章:ビジョン

・理想家(コロンブス、コペルニクス、釈迦・・・)は次の世界の作り手であり、天国の建築家(P71)
・心を最高にワクワクさせる理想とビジョンをしっかりと胸に抱け。理想は未来の予言で夢は現実の苗木である。(P73) 

⇒いや、だからパンチラインが素敵なのよ、この本!笑
『理想は未来の予言で夢は現実の苗木である』・・・素敵すぎるだろ、これwww 

第7章:穏やかな心

・「原因と結果の法則」を理解するほど、人間はより穏やかになる。穏やかな人間は自身をコントロールでき、自身を他の人たちに順応させられる(P83)
・この上なく穏やかな心は、この上なく強い心。その持ち主は、常に愛され敬われる(P84)

はい、というわけで素晴らしいっすよ、ジェームズ・アレン。
訳者のあとがきで、この“謎のイギリス哲学者”について少々語られてたんだけど、どうやらこの方、かなりの苦労人だったらしく。幼い頃、実家の会社が潰れて、海外に出稼ぎにいった父親は不幸にも強盗に遭って殺され、その影響でアレン自身も学校を辞めなくてはならない状況になり、、、というバックボーンの持ち主。ただし懸命に働き生計を立て、晩年には丘の上で瞑想、午前に執筆、午後は農作業に精を出すという日々を過ごしていたらしい。研ぎ澄まされたその人格に、周囲の人も(いい意味での)ある種の恐れを感じていたとのこと。
僕も“原因”をしっかりもち、素晴らしき“結果”に向かおう。


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