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『母のトリセツ』(黒川伊保子)ブックレビュー

出ました、石ころ家の大先生、黒川伊保子さんのトリセツ集(笑)
とはいえこの本を読むのは優先度をだいぶ下げていて、先延ばしにしてきていた。理由は、先にこれを読んだ妻や妻の母から「執筆中はお孫さんの出産を控えているらしく、読んでいても心ここにあらずな感じで『息子のトリセツ』ほど筆が乗っていない」とよくわからないレビューをもらっていたから(笑)あと、僕自身もあまり妻(のトリセツ)や息子(のトリセツ)と比べると、興味を引くものではなかったし。
それでも読んだのは読む視点を変えてみようと思ったから。つまり、直近で僕が妻の母に対し生かそう、ではなく、将来的に白玉(4歳長男)やおにぎり(1歳次男)が母(つまり僕の妻)との関係でこじれかけた時用に、客観的な視点を持てるようにしておこうと思い、読み始めた。
この本は、『口うるさい母親に対し、服従ではなく愛想のもので返す方法』を中心に描かれた取扱説明書であり、対策本。以下の文章を読むだけで、ここが軽くなる人もいると思う。

日々忙しくしていて、親孝行もしないでいることに、後ろめたい思いをしなくて大丈夫。母のお望み通りの人生を生きてなくても大丈夫。何度も言うけど、母たちの脳は、子供を持ったことだけで、9割がた満たされているのだから。
あなたを得ただけで、母の人生に、揺るがない価値が生まれたのだ。
母の望ことは、究極のところ、ただ一つ。
いつまでも、私の息子であってほしい、私の娘であってほしい。
ちょっと頼ってくれて、たまに「嬉しくてたまらない笑顔」をくれれば、「私の息子(娘)」であることを忘れない。(P179)

 レビュー、いってみましょう。

 第1章:母の機嫌にビビらない人生を手に入れる

「お母さんの言うとおりね、参考にするよ、ありがとう」でおせっかいの言葉を交わせ(P21)
気持ちを受け止めれば、結果どうしようが気にならないのが母親(P23)
小言を言う不機嫌な顔をする母親を気にする必要はない(P38)

→この通り、この本の前提は“面倒”で“おせっかい”な“口うるさい”母親をもっていること。幸い、妻の母や妻はそれに該当しないので、この章はあまり身が入らなかったなぁ。

第2章:母の愛は「毒」であると知る

脳には確固たる癖があり、人によって異なる。親は自分の正解が世界の正解だと思いがち。(P47)
母を疎ましがっているうちはまだ自立できていない。自立できていれば『無関心』になれる(P71)
母は子への愛がある限り、与え続ける(=操作し、自由を奪い続ける)(P77)
母は子供に全方位を期待し、欠けているところをクローズアップしがち。子供の得意なところに期待し、不得意なところに目をつぶれ(P81)

→親として、自分の正解を押し付けてしまうところは僕にもある。勿論乳幼児のうちはわからないこと、知らないことだらけだからある程度こちらが主導してあげるべきところはあるけども、徐々に自分の正解を子供は持っていくわけだから、いい感じのところで手放してあげるよう意識していきたい。

第3章:母親に巻き込まれないためのノウハウ

話の長い母に対しては、「こちらの話を聞かせてやる」ことでこちらがペースを握り、話を終えることができる。かつ、積極的に共感すること(P94)
気の滅入るようなネガティブオーラを持つ母には、こちらのポジティブな話をし、母のネガティブ返しに対し反応しないこと(P98)
事実に共感できなくても、心には共感せよ。意見を否定する時は、主語「私は」をつけてショックをやわらげろ(P119)
「子供には、放っておいてあげる時間が必要」は、早いうちに母に刷り込め。母は子との一体感ゆえに『支配』しがち(P125)

→『妻のトリセツ』よろしく心は否定するなと。

第4章:母親を突き放しつつ喜ばす方法

おせっかいと蒸し返し癖のある母には「今は放っておいて」と素直に言い、加えて一つだけ“エサ”(=頼み事)を投げるべし(P138)
大人になった子供に、親は心がけてプライバシーの空間時間を確保せよ(P142)
プライベートな空間(自室)にいるときは互いに不用意に声を掛け合わないこと。(P150)
嫁は「ちゃっかり」姑を使え。「できない嫁」には情が湧く(P162)
親離れし、自立することは母にとっては少し寂しい。だから大人になっても母を頼れ(P168)
嬉しげな笑顔を与えよ。“ミラーニューロン”で相手にも伝わる(P172)

→“エサ”を与えるってなかなかwin-winだよね。
あと、プライベート空間を意識的に互いに確保して邪魔しないのはとても大事だと思った。僕も毎朝の自室でのこうした自由時間で本のレビューしたりPCで写真整理したりするのが生きがいの一つになっているから。だからこそ、子供にも意識して与えていこう。

というわけで、『母親からの解放のされ方』だけでなく、改めて『親としての子供への振舞いの警報』まで記載されたトリセツでした。
気づけばもう10月末。年末に向け、動画編集とか写真整理とかやりたいことがいっぱい。年内読めるのはあと1冊・・・いけるかなって感じ。駆け抜けていきましょう。


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