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しるひとぞしる

いつも楽しく読ませていただいているクリエイターさんの記事に出ていた「とろろ昆布」のおにぎり。なるほど。食べてみたい。見慣れた食材でも、お客さんにも出せるような料理になるもんだと感心した。

とろろ昆布はこっちにもある。自分が暮らしている石巻をあらためて紹介したい。三陸海岸の南端にあり、黒潮と親潮がぶつかる金華山沖を眼前にし、海産物だけは自慢できる。石巻魚市場には国内最大級の200種の魚種が水揚げされ、カキやホヤ、ホタテなどの養殖のほか、ウニやアワビ漁も盛んな何でもありの水産地区だ。

すでに何度も記事で書いてきたふるさと雄勝は、その中の一つの地域。山と海しかないようなところだからこそ、工場排水なんかも限りなく少ない、海水は驚くほどの透明度でありながら、ミネラルもたっぷり。どの浜も、「おらほのカキが一番だ」「ウニはこっちが実が甘い」などとプライドをもっている。誇りに思っているくせに、PRが足りないのは我々地元新聞社の責任でもあるのかもしれない。

ということで皆さんに石巻のとろろ昆布を紹介したい。まずはこの写真を見ていただきたい。

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何年か前に取材したものだが、収穫して乾燥させた昆布をロールに巻き付けて超高速回転。それにカンナを当てて削り出す。熟練の技により、とろろ昆布はふわふわと飛んで、後ろ側で控えるカゴに入っていく。浜にある作業小屋は、ロールを回す電動のモーターの音が響き、上質なダシのような海を凝縮したような潮の香りが充満していた。

どのような時に食べるのかと言えば、我が家では、味噌汁なんかを作る暇のない忙しい時がほとんど。お椀のとろろ昆布の上にきざみネギをのせ、お湯を注ぐ。最後にしょう油をたらせば、完成だ。ふわっと香る、ふるさとの海にいつも癒されている。まあ、とりあえず、お湯に入れればおいしくなるすごい食材だ。

しつこいようだが、ふるさと雄勝産が絶品。もし石巻にいらっしゃることがあれば、覚えておいても損はさせません。

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