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庄山由美さんと調理室の女の子

庄山由美さんが中学生の頃。掃除の時間に不思議な体験をしたそうです。その体験は庄山さんだけでなく、他の生徒や先生も体験していて・・・。
今回は関東某所の中学校で起こった体験談を、庄山さんが披露して下さいました。

※こちらの怪談話は有料での公開とさせて頂きます
--以下、庄山由美さんからの寄稿より--


この話は、今から20年ほど前、私が中学生の時に体験した、「学校の怪談」のようなお話。そこにいるはずもない女の子に、出会ってしまった体験談です。

私が通っていた中学校は、関東某所の都市部にあります。人口密集地のため、学校の周囲は住宅だらけ。それなのに、妙に敷地が広い中学校でした。中学校には、A棟、B棟、C棟と呼ばれる校舎が校庭をコの字に囲むように立っており、いつもたくさんの生徒が賑やかに活動していました。在校生は、当時約450名。1学年あたり5クラス分の生徒が在籍していたため、C棟を除き、いつも「どこにでも生徒がいて賑やか」な学校でした。

さて、今回の話の舞台は、この学校のC棟です。A棟、B棟は各学年の教室や職員室がありましたが、C棟には、音楽や技術・家庭科といった主要5教科では使わない教室が集められていました。そのため、C棟に出入りする人はその教科の時間や掃除の担当者、吹奏楽部などの部活関係者しかいませんでしたし、使う時以外は入口に鍵がかかっていました。私もC棟とはほぼ無縁の生活だったため、行くのは教科の時間のみ。なんとなく「嫌な感じ」もしていたため、積極的に入ることもありませんでした。ある意味、自分にとっては幸運だったのかもしれません。

しかし、3年生になるとC棟の掃除担当に任命され、そこに頻繁に出入りするようになりました。掃除の時間は全校生徒が各担当場所で活動しているため、C棟にいるのは担当者のみ。しかも15人ほどの生徒が2階建てのC棟の1階廊下、階段、2階廊下、技術室、音楽室、被服室などに散り散りになっているため、顔が見えるのは3~5人ほどでした。ほの暗い階段や無機質な廊下の作りもあってか、心細さが募る時間でした。私は2階の廊下担当になりましたが、やはり「嫌な感じ」は消えません。さっさと掃除を終わらせ、C棟から出ていきたい一心で、さぼる同級生に掃除を促しながら掃除をしていました。

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