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庄山由美さんと旧実家の廊下を通る人たち

庄山由美さんが幼少期を過ごした建て替え前の御実家では、不思議な出来事が起こっていました。昔ながらの一軒家で起こった不思議な出来事とは?
もしかしたら、同じような体験をしている方は他にもいるかもしれませんね。
今回は、そんなお話です。

※こちらの怪談話は有料での公開とさせて頂きます
--以下、庄山由美さんからの寄稿より--


この話は、私が小さいころから実家で遭遇していた、ちょっと不思議な出来事です。

私の実家は、都市部の一軒家でした。といっても、今どきのきれいな「一戸建て」ではなく、第二次世界大戦直後に祖父が建てた家に、建て増しを重ねた家でした。部屋によって老朽化具合が違うため、ところどころ軋んだり音がしたりするのは当たり前。2階建てなのに階段が3つもあったり、廊下が子供部屋を取り囲むようにコの字型になっていたり、開かずの扉や開かずの窓もありました。1階から子供部屋に行くためには、北側の階段をのぼり、リビングの前の廊下を通り、たった3段しかない階段を下りて、暗い廊下を歩いていかなければなりませんでした。変な作りの家でしたが、生まれてからこの家にしか住んだことがなかったため、家屋自体への違和感は、あまりありませんでした。

ただ、廊下を歩くことだけは、いつも何か「嫌な感じ」がありました。リビングの前の廊下も、子供部屋に続く暗い廊下も、怖くてびくびくしながら歩いていたのを覚えています。もちろん、暗くて怖いというのもありましたが、それ以上に、そこを頻繁に「誰か」が通るのを見ていたためです。

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