見出し画像

本を書いています。

Vol.8 推敲しています。

執筆中の『「面白い!」のつくり方』の初校が上がってきました(上の画像では「面白いとは何か(仮)」になっていますが、こちらのタイトルに変更になりました)。こうしてレイアウトされた本文組みを見ると、いよいよ本当に出版されるんだな、という実感が湧いてきます。GW中にもう一度じっくり読み直し、赤字を入れていきたいと思います。

ちなみに今回、装丁は自分ではなく、出版社経由で専門のデザイナーさんにお願いすることにしました。人の作品だったら客観的に見てデザインできるのですが、自分の作品のデザインというのは、なぜか難しいものです。私がこれまでに一番難しいなと思ったデザインは、自分の結婚式のペーパーアイテムだったという経験があり…。

そしてなんと、Amazon楽天ブックスなどのECサイトでは、もう予約可能な状態になっていました。発売は6月末になります。

まさかAmazonに作者として名前が載る日が来るとは、1年前には考えてもいないことでした。人生、わからないものです。

本を書こうと思ったのは、たしか去年の9月頃でした。それから企画を提案し、原稿をひたすら書き続け、目標の15万字に及ぶ第1稿を書き上げたのが2018年末。年が明けて、第1稿からガツンと文字量を削って推敲し、第2稿が上がったのが2月末頃。そこからさらに推敲し、再調整して最終原稿となる第3稿を上げたのが、今月4月の上旬でした。

色々な文章術の本にも書いてありますが、この「推敲」という作業は、本当に大事です。何度読み返してみても、その度に気になる箇所が出てきて、永遠に終わらないのではないかとすら思えてきます。

今回、何度も推敲する中で、毎回ちょっとでも客観的に見るために工夫したことがありました。それは、原稿の体裁を変えるということです。

最初は原稿をWordの横組みで書いていたのですが、第1稿から第2稿に移るときに、縦組みに変えました。こうすることで、実際の本文組みに近い印象になり、それまでに見ていた印象をガラッと変えることができました。そして第3稿に移るときには、実際に紙で出力して、赤字を入れながら読み通してみました。これも、自分の文章を客観的に見るためにやってみたことだったのですが、確かに効果はあったと思います。

また、推敲を重ねるにあたって、修正することが多かったポイントがいくつかあったので、ここで紹介します。

--

①長すぎるセンテンスを2つに分ける

これは自分の文章力が至らない故のことなのですが、書いている内についつい1つのセンテンスが長くなり過ぎてしまうのです。言いたい要素を色々入れようとすると、文章としては間違っていなくても、読者にとっては読みにくい文章になってしまいます。この対策としてよく言われているのは、推敲するときに「音読してみる」ということです。実際に声には出さないのですが(本当は声に出した方がいいです)、読むことで音のリズムが感じられ、文章の違和感にも気づきやすいのです。


②曖昧な表現を避ける

これは、最初に編集者から指摘された所でもあるのですが、「〜と思います」「〜と言われているそうです」などの、曖昧な「逃げ」の表現を減らしていくということです。これも、多くの文章術の本に書いてあります。こうした「逃げ」の文章は、圧倒的に説得力を弱めてしまいます。論述というのは「私はこう考える」ということを、自信を持って堂々と主張すればいいのです。と言いつつ、ついつい弱い表現をしてしまう癖があるので、今もできるだけ気をつけるようにしています。


③似たような表現が繰り返しにならないようにする

これは特に文末の言い回しによくあるのですが、文章中の近い所で同じような表現が重ならないように気をつけています。先述のリズムの話と同様で、これも推敲するときに音読することで、初めて気づくことが多いです。今回、全体の文章をいわゆる「ですます調」で統一しています。世の中の論述を見渡すと、圧倒的に「である調」の方が多いのですが、印象として偉そうにならないように、謙虚な姿勢の「ですます調」の方がしっくりくる感じがしたからです。これもまた「逃げ」なのかもしれないのは、百も承知なのですが…。ただ、「ですます調」の方が語尾が似たような印象になりがちな傾向はあるので、文末の表現は特に気をつけるようにしています。


④読点の位置を変える

これも多くの文章術の本に出てくることです。「、」を打つ位置によって文章の意味合いや印象が大きく変わってきます。そもそも「、」は、むやみに打たない方がいいということもよく言われています。文章を書くようになるまではあまり気にしていなかったのですが、読みやすさという点でも、これは重要なポイントです。

--

他にも色々あるのですが、推敲の段階で特に気になったのは、この4つです。これは、長文を書くときだけでなく、普段のメールの書き方などにも応用できると思います。

…ということで、これからまた初校の推敲作業に入りたいと思います。ともすると億劫な作業にも思えますが、これはこれで、慣れてくると楽しい作業でもあるのです。

そしてよかったらぜひ、本の予約もお願いします。損はさせませんので!

…たぶん。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?