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本を書いています。

Vol.9 LIFEとWORKの境界線について

10連休が終わろうとしています。「本を書いています。」なんてタイトルですが、ウソです。すみません。連休中は書いていません。

ただ、連休中に『「面白い!」のつくり方』の校正をするのが自分の宿題だったので、昨日までの2泊3日のキャンプに行く前に、何とか赤字を書き終えていました。

キャンプなどで数日間でも山で生活をしてみると、帰ってきてまず思うのが「アスファルトって固いなぁ」ということです。舗装されていない道路の方が足が疲れそうなものですが、個人的には山道の方がよっぽど柔らかくて歩きやすいです。そして、何となく自然とつながっているという実感が湧きます。久々に固いアスファルトの上を歩くときの違和感に「自然と都市の境界線を超えて戻ってきてしまったなぁ」と実感するのです。まぁ、そんな感覚もすぐに日常にかき消されてしまうのですが…。

今回の10連休は本当に長かったということもありますが、多くの人が「年末年始っぽいなぁ」と感じたのではないでしょうか。ちょうど元号が変わるという節目と長期休暇というマッタリ感。テレビをつければ特番だらけ。天気も何だか呑気な感じで、正月が2回来たような不思議な体験でした。もしも1年が半分の長さだったら、こんな感覚なのかもしれません。

でも、ただ10日間連続で休むだけだったら、もっとダラけて5月病にでもなってしまいそうなものです。しかし今回は、新元号という節目の「新年感」が少しだけ気持ちを新たにさせてくれただけ、良かったのかもしれません。明日から仕事が始まって「新年感」が勝つのか、「5月病」が勝つのか、そんなことも30年に一度の体験なのかもしれません。

こんな風に長く休んで仕事が始まりそうなとき、先ほど述べた「自然と都市の境界線」のように「生活と仕事の境界線」について、ついつい考えてしまいます。

普段はどうしても仕事中心の生活になってしまいがちです。しかし、本来はこの10日間のような生活が中心にあって、その生活を充実させるために働くべきなんじゃないかということを思い知らされるのです。そして、そんなことを考えるといつも、以前読んだこの記事のことを思い出します。

世界のソムリエ 田崎真也が沖縄・石垣で見つけた生き方

この記事にある田崎真也さんの「オンとオフは逆なんじゃないか」という話、とてもいいと思うんですよね。

それは決して仕事の手を抜くということではなく、来たるべきオンのための充電期間であると。たしかにそう考えた方が、オフ(=仕事)は割り切って仕事に集中することができ、オン(=休日)も思いっきり楽しめるのではないかと思います。

気持ちとしては、LIFEとWORKの境界線なんて失くなって、融け合うようになってしまうのが理想なのではないかと思うこともありますが、それはそれでメリハリがなくなってつまらないのかもしれません。

AIやロボティクスなどのテクノロジーが進化して、将来的には人間は働かなくてもよくなる時代が来るとの言説もあります。しかし、それもまたずーっとオン状態になってしまうわけですから、人間本来の姿とは別の何かになってしまうのかもしれません。

というわけで、明日からまたオフの毎日が始まるわけですが、オンのための充電期間と思えば、何とかやっていけそうな気もします。

そして、いま自分がやっている「本を書く」ということは、オンでもオフでもありません。しいて言うなら、その境界線上にあるような活動です。まさに電気のスイッチをオンとオフの間でそっと止めてみたような、フワフワとした面白さがあるのです。

校正が済んだら、いよいよカバーのデザインなども始まってきます。オフの仕事にも集中しながら、これから出版までの1ヶ月半、楽しんでいきたいと思います。


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