メモ:業績評価、能力評価、行動評価

人事評価の種類と特徴を俺なりに解釈したメモ(感想)。

業績評価

その人が、実際に何をしたかを評価する指標。結果、成果など”過去”の情報を元にしている。評価方法はその人が上げた利益など、組織への貢献度を数値化することによって行う。

普通の人にとって一番分かりやすい評価方法。何らかの成果物(目に見えるもの)を指標にして評価すれば良いので評価しやすいのではと思う。

逆に言えば目に見える形にしなければ評価できないので、その能力が低いと評価を得られない。いわゆる情意評価(働き方の姿勢、真面目とか、頑張ったとか、場合によってはコミュ力なんか)が反映されないので、人事評価制度で業績評価しか採用していないと”感情的”な人(人の気持ちとか人の思いとか言い出す人)が恣意的な評価を付け始める(と思っている)。

業績評価を行いたいのであれば、何が”業績”なのかを明確にし、その”業績”に実際に貢献したかどうかを分析する必要がある。何を”業績”と設定するのかが、その組織の目指すものと直結する。

個人的には、分かりやすい評価方法だけど案外評価するのが難しい評価方法。通常、一人で業績を出しているわけではなく何人かが関わって1つの業績を出している場合がほとんどなので、ではこの人はこの業績のうちどのくらいの相当に当たるだろうかが分かりづらい。

あるあるだと思うが、チームで成果を上げたが実質動いていたのはその中の数人だとか、一人足を引っ張る奴がいるだとかそういった場合に、チーム単位で同列の評価を与えるのが業績評価と言えるのか疑問なところ。とは言え、業績の分配比率をどうするかなどとすると評価制度が複雑になりすぎて運用しづらくなる気もする。

現状、業績評価はチーム単位で一律に与え、個人差は他の評価制度で評価するのが良いと考える。

能力評価

その人が、業務遂行する上でのスキルや知識で評価する指標。その人の”現在”の保有能力によって評価する。評価試験や保有資格で評価されているのが現状。

業績評価と比較して、目に見えない”能力”を評価しなければならない。

人材の将来的な成長のために、業務成果と直結する能力や技能の保持および増進を目的としている。

目に見えないものをどうにか見える化しようと、評価試験を行ったり、資格試験で資格を取らせたりしてそれらを”能力”として評価しているのが現状だが、何年も前に取った資格を”現在”の能力としていたり、評価試験や昇級試験などを行うも試験内容を使いまわしているので、過去問が出回るなどしているため形骸化している。

俺個人としては、人の性格を分析したり、売上や契約数といった数字などで現れない能力を分析し評価したりするのが、好きだし興味あるので能力評価制度は良いなと思うが、こういったことに興味ある人は少ない印象。寧ろ「能力なんて曖昧なものを評価しろなんて不可能」と最初から諦めてしまっている人たちが多いように思える。結果、業績評価~情意評価をそえて~のコースが出来上がると思っている。情意評価をより論理的に分析して能力評価として昇華させてくれれば良いのになと思う。

行動評価

別名コンピテンシー評価。実際に成果につながる行動特性を評価する指標。行動特性というと、実績や能力が類推され実績評価や能力評価と同じと思われがちだが、行動評価は時間軸が”未来”であることが大きな特徴。過去の実績や現在の状況からこれからどう成果につなげようと考えているかが評価対象となってくる。

詳細は以下記事参照

評価対象が”未来”への期待値というところがポイントなのだろうと考えている。実績評価では実績がないと評価されないが、行動評価であれば「まだ実績はないが、こういう計画を考えていて成果が見込まれる」といった内容が評価される可能性がある。

その未来への意気込みがただの口だけの目標なのか、中身が伴うものなのかを評価者がしっかりと分析する必要があるので、被評価者との密なコミュニケーションが必要になりそうだ。

自分が勉強した感じ、かなりロジカルよりな評価方法だけど、表面だけなぞるとなんとでも言えてしまう評価方法にも見えるので、評価者によって品質に差が生まれそうだ。また、日本人のマニュアル主義とは合わなそうだ。「この場合はどう評価すればいい?」と言った思考停止マンの質問であふれるのが目に見える。

まとめ

業績評価が過去、能力評価が現在、行動評価が未来をそれぞれ重視して評価する。どれか一つではなく、全てを上手に組み合わせることで俺個人はうまく評価できそうな気がしている。

業績評価で主に数字で現れる成果を評価する。どれくらいの利益を出したのか、何件プロジェクトをこなしたのかといったものを中心に評価する。ここはチームや課の単位で一律で評価する。

能力評価は、取得している資格や取り扱っている業務内容に予めランクを付けておき、そのランクに応じて評価する。

行動評価が個人単位で最も力を入れて評価する。業績評価と能力評価は機械的に評価出来るので正直そこまで労力を割く必要性がないと考える。行動評価によって、その個人がどれくらい今後成果を出せるのか、出そうとしているのかを業績評価や能力評価を踏まえつつ、分析する。行動評価で正しい評価を出せた管理職にはボーナス。誤った評価を下したらペナルティ与えても良いくらいに考えている。

最初から所感みたいなものだけど、所感

自分が勤めている会社の人事評価は形骸化してしまっているので、「今回の君の業績評価は~」とかもう聞き流しちゃっているけど、人事評価を本当にうまく運用できる会社があれば、する方もされる方もやりがいありそうだなって勉強して思った。

まあ、現実にはうまくいかないだろうから「人事評価なんてやっても意味ないんでやめません?」で良いと思っているけど。人事評価制度やってて得したって人いんの?ゴマすり上手いような人くらいしか思いつかん。

人事評価制度は日本人はなんでもかんでも三猿だから「業績を見ざる、能力は言わざる、行動は聞かざる」って感じで何やってもうまくいかなそう。思考停止するのだけは得意みたいだから、それを活かすのが良いんだろうけど、「24時間働く」「悪条件で働く」「死ぬまで死ぬ気で働く」みたいなやり方しか思いつかないし、それが一番成果出せちゃいそうで怖いところ。

まあ、そんなやり方じゃあ長くは持たないだろうから残念だけど今のゆっくり衰退する日本の戦略が現実的に取りうる戦略で一番良いのかもなって諦めぎみな今日このごろ。

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