あたりまえじゃない!?世界で感じるUXのちがい

矢印の向き、逆じゃないの?

先日、友人を訪ねにチェコへ1週間ほど旅行へ行きました。チェコといえば芸術の国、美しい街並みが有名です。交通網も充実しており、バスやトラム(路面電車)、地下鉄をひとつの券で乗車することができます。回数ではなく、時間制の券で30分、90分、24時間、3日券とあります。時間制のおかげで、方向性がわからない私のような観光客でも、うっかり逆方向のトラムに乗車しても、すぐさま乗り換えができるので非常にありがたかったです。そしてとてもリーズナブル。
行き先を確認するためにトラム内にある電光掲示板を眺めると、不思議な光景が飛び込んできました。

「矢印、逆じゃない…?」

日本の電車内の液晶路線案内で指し示す矢印の向きは、進む方向と同じになるように表示されていますが、チェコのトラムでは、進行方向とは逆に矢印が向いていたのです。そのため、自分がどっちに向かうのか理解するのにしばらく時間がかかりました。(いくつかトラムに乗車しましたが、少なくとも私が乗ったトラムはすべてそのように表示されていました)
日本の電車案内を見慣れていたため、この案内表示に違和感を覚えましたが、チェコに住み続けている人々はもちろんこの表示を当たり前のように認識しています。
このように、国によって根本の考え方や基準が異なるケースが多々あります。

色の使い分けで混乱をまねいてしまう

日本では当たり前のように見かけるタクシーの空車/割増の表記。これも実は他国からみると混乱してしまうもの。

世界的には赤=禁止、緑=許可、承認といったイメージが一般的なため、空車が赤で表現されていると「乗れない表示」だと勘違いしてしまうケースが起こります。日本語がある程度わかる海外の観光客でも、走行中の表記を瞬時に読むことは困難なので、なおさら色の認識ずれが起こってしまいやすいのです。

便利とわかりやすさのトレードオフ

もうひとつ、日本では当たり前ですが世界からすると混乱してしまうケースがトイレのボタン。新しいトイレだと、流すボタンと同じように様々なオプションボタンが備わっています。海外から来た人にとっては、このボタンの多さが、どのボタンを押せば流せるのかわからず、混乱をまねいてしまうらしいのです。ヨーロッパなどのトイレボタンは流す一択しかないのですから。

トイレ事情に関しては世界各国さまざまなルールがあったり、その国固有のマナーがあったりしますよね。気になった方はぜひ調べてみてください。

世界で感じるUXのちがい

世界から日本を見てみると、日常生活のいたるところにUXの違いを実感することができます。普段見慣れている案内表記や、乗り物のボタンなど、ひとつ間違えれば利用者にとって大きな損害につながることもあります。

グローバルな視野を持つサービスやプロダクトをつくるときは、より一層注意を払ってUX設計をすることが重要です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?