・人生初の整体に行った。ホットペッパーのクーポン利用で、2000円OFFになるメニューにする。この値上げのご時世に2000円はでかい。いいな、ホットペッパー。そりゃみんな使うわ。

・整体を受けようと思ったのは、単に前から興味があったから。ただ体のどこかが痛いとかはほぼなかった。まぁ骨盤は歪んでるんだろうなぁくらいの気持ちでお店に行ったら、問診票で「痛みがある部分を教えてください」と聞かれて戸惑う。痛みがあるのが前提なのかと驚いた。

・問診票を書き、あれよあれよという間にもみほぐしと骨盤矯正が始まる。

・専用のベッドにうつ伏せで寝るよう指示される。顔の口らへんに当たる部分に穴が空いているベッドで、「ほんとに穴空いてるんや！！コントでしか見たことなかった！！！」と軽くテンションが上がった。

・肩をマッサージされる。左肩にとんでもない激痛が走る。なんだこれ、やべ、痛いですとか言ったほうがいいのか？と迷っているうちにマッサージが終わった。隠れて涙目に。右肩は痛気持ちいいくらいだったので、左右でこんなに差があるのか……と実感した。骨盤矯正もしてもらった。「今は歪みが治っていますが、3〜4日で前の姿勢に戻るようになります」と言われる。意外と長くもつなぁと思ったが、マッサージしてくれた先生は「今良くてもまた戻りますよ」ってことを強調したそうだったのでとりあえず黙っていた。

・もみほぐしと骨盤矯正が終わったあと、椅子に座らされ今回の施術は〜と説明をされる。そしたらいつの間にか「週2で通い続けるとなると15万くらいかかるので、コースで契約すると安くなるよ」的な話が始まっていた。正直マッサージ直後のぼやぼやした頭だったので話についていけなかった。16回で5万円いかないくらいになりますからお得ですよ、と言われた。5万か。たけぇよ。

・「え、お試しのつもりで予約したんだけど……てかマッサージとか整体自体も人生で初めてだから回数や値段の相場もわかんないんだけど……てか「通います」って一言も私言ってないんだけど……」と心の中で思う。

・肩まわりは軽くなったように感じつつも、この1回（しかも人生初の整体）だけで5万円の支出は決められない。「ちょっと考えます」と何とか伝え、整体を後にした。

・帰り道を歩きながら、上半身の特に肩周りがいつもより軽くなったように思った。コートを着ても胸のあたりが軽く、前より息もしやすいような。例えるなら、甲冑を1枚脱いだような感覚だ。続ければもっと呼吸がしやすくなるのだろう。

・しかしコースにして1回分の料金を抑えたとて、16回で5万円か……。なんかあまりにもサラッと料金の話されたから驚いた。みんな5万円の買い物なんて、そんな即決できるもの？？？？？

・帰ってから同居人（同じマッサージを受けた）に「みんなたった1回の施術で、最低5万円の買い物を即決できるの？私が考えすぎ？私のお金がなさすぎるだけ？」と問う。そしたら同居人は「たぶん即『契約します！』ってなる人は、今まさに腰がめっちゃ痛いとか、危機迫ってるんだと思うよ」とのこと。なるほど、そうかもしれん。

・何にお金を使うか、その選択肢は今世の中に溢れている。食事、健康、美容、学習、娯楽、装飾、習慣。どういうことに価値を感じるか、マッサージ直後のポヤポヤした頭で考えることではないなと思う。整体に通って骨盤矯正を定期的に行うのはとても価値があると思うけど、限りある収入と今後の生活を考えると、やはりあの施術直後の場で即決するのは無理だった。冷静になってよかった。

・いつか我慢できないくらいの腰痛で、いよいよ整体や整骨院に定期的に通わなくてはならない日が来る可能性もある。そのときまでに、「体のためなら」と5万円くらいポンと出せる懐になっていたい。当面の目標はそれかもしれない。