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M-1ツアーと故郷と低気圧

ここ2日間ほど体全体が重い。ほっぽり出していた日記を書く。

●4月23日(火)まで

今週の仕事は火曜日からだった。月曜日は休みをとっていた。
先週(というか日曜)、地元広島までM-1ツアー2023(ライブ)を見に行ったのだ。月曜日は東京に戻ってくるだけで1日が終わった。

M-1ツアーは今年に入って2回見に行ったことになる。大好きなカベポスターが広島のM-1ツアーに出ると知って、急いでチケットを取ったのが2月。ずいぶん前のことのようだ。トップバッターのさや香で大笑いし、ダンビラムーチョで腹を抱えて笑い、トリの令和ロマンで前のめりになって大爆笑し、腹痛を起こした。今日も相変わらずカベポスターが大好きだった。

広島は実家に泊まれるので、ホテル代がいらないのが助かる。それにやっぱり地元が好きなので、短い期間でも帰省できると嬉しいのだ。

広島は東京よりも一足先に雨が降っていた。広島に着いたその日、送迎の車から降りて家の周りの空気を吸った瞬間、「こんなに自然が濃いにおいしたっけ?」と驚く。

実家は広島の市街地から少し離れた地域にある。住宅街のにおいと、緑が多いことによる自然の爽やかなにおいと、小雨による湿気、しんとした夜の空気が混ざり合っている。それだけで涙が出そうだった。懐かしいなあ、と心の奥底からにじみ出るように思った。

故郷はどこもかしこも懐かしいにおいであふれている。一昨日東京に帰ってきたばかりなのに、今すぐにでも帰りたくなる。


●4月24日(水)

東京へ戻ってきて2日ほど経った。もう水曜日か。気圧や生理のせいで頭が重い。今日は朝からずっと集中しているのに、何一つ終わらない。

昼休憩の間に、気分転換で散歩にでも行こうかと思いついた。
仕事休憩中の散歩はよくやるのだが、今日はあまりにも体が重い。手ぶらで散歩に出ようとしたが、ガチの手ぶらだと心もとないと感じる。

とはいえ財布を持つと一気に重くなるし、PayPayのためだけにスマホを持ち歩きたくもない。

2秒考えて思いついたのは、「500円玉を1枚だけ持っていく」という結論だった。

財布から500円玉を取り出し、裸のままポケットに入れる。あ~、軽い。軽いけど、私は今そこはかとなく”自由”だなあ~と思った。

荷物は軽い方がいい。でも散歩中、手元に一銭もないのは頼りない。それが500円玉を一つ持つだけで、散歩の途中にコンビニで買い食いする選択肢が広がる。この500円玉で3時のおやつを買ってもいいし、眠気覚ましのカフェラテを買ってもいい。いや何も買わなくてもいい。
これが千円札になると、また大仰な感じがしてしまうから不思議だ。”自由”を感じるのには、500円玉がぴったりだ。

そうそう、日常における”自由”ってこの程度でいいんだよな。小さい”自由”ではあるが、確かに必要な”自由”だ。
抑圧された仕事の昼休憩中は、そういうたぐいの”自由”を持ち合わせながら過ごしたいものよ。そう思いながら家の外に出た。

雨が降っていた(わりと無視できない小雨)。
一緒に散歩しようとしていた同居人が、「雨が降ってるからやめたほうがいいか……」と言った。私もそう思う。ゴミだけ捨てて、3分くらいで家に戻った。

散歩に行かなかったかわりに、読むのが途中になっていたエッセイを読んだ。前読んだときは全然進められなかったのに、今日は内容がぐんぐん入ってくる。今の私の脳はスポンジのようになっていて、文章がじゅわじゅわ浸透していくような感覚を覚えた。久しぶりに本を読んで「楽しい」と思えた。

藤沢あかり『レシート探訪』

その後10分ほど昼寝をして、仕事に戻る。
仕事は相変わらず遅々として進まなかった。
今日はもうダメだ。『有吉の壁』を見てさっさと寝よう。


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