忙しい暇人

忙しい暇人

最近の記事

反新技術「ラッダイト」は誤った使い方?50~00年代の旧版辞書で大検証

昨今、人工知能周りの喧騒の中で「ラッダイト」という語が度々出てくる。 「ラッダイト」とは産業革命の渦中1811年から1816年に起こった「ラッダイト運動」で機械破壊運動を行った労働者。国語辞典によると さて、「ラッダイト」は現代では新しい技術や方法に反対する人を指す反新技術的な語としても用いられる。 しかし、古くはそういう意味ではなく単にラッダイト運動そのものを指す語であった。 「Luddite」語釈の変遷それでは、現代における用法はいつ頃から用いられるようになった

    • 米軍の7割は沖縄、それじゃあ自衛隊を合わせたらどんなもん?

      本稿はある意味でストローマン的な話である。  よく米軍基地の7割が沖縄県に立地していると言われている。これは正しい、上図のように米軍施設の7割の面積は沖縄県だ。他に見ると青森(三沢)、神奈川(厚木/横須賀)、東京(横田)、山口(岩国)、長崎(佐世保)、北海道(千歳)など13県に米軍基地が立地している。それでも、沖縄の割合が圧倒的であるのは確かだ。  だが待ってほしい、日本国内の軍事組織[独自研究]は米軍だけでなく、自衛隊もあるのだ。軍事基地を議論するときにはそれを抜きに語

      • 沿岸バスの萌えキャラを見てゆく#1

         ここ数年、キズナアイ[1][2]や宇崎ちゃん[3]、ラブライブ[4]など様々な分野で萌えキャラを用いた広告活動が燃(萌)える事案が各所でみられており、可燃性が高まっている。  今回の留萌から幌延を走る沿岸バスも例によって燃えたわけだが、結構な人数(31人)のキャラクター[5]がいるにもかかわらず、Twitter上で言及されているのはごく一部のキャラクター(2~4人)であり、割合やキャラクターの実装時期と現在の時勢の差異などを考慮しないと語ることは難しいのではないかと考える

        • FgoのcmがAIらしいのでコマ送りで見てみる

          話題になっている部分は序盤 かみのつきのせいはいせんそう の ”つきのせいはいせんそ” の部分、時間でいうと1.03s~2.80sくらいまでの約1.80秒間 女の子が画面奥側に倒れこむ運動をしながら服装が5回変化する(服装は6種類)、衣装名は適当命名 適当に書いたところはあるので用語間違いとかあるかもだけど許して この記事で件のcm[1]の画像を引用する際、注釈がない場合はyoutubeからの引用です まずはコマ送りですべて見てみようナース(計7枚) ポケモントレーナ

        反新技術「ラッダイト」は誤った使い方?50~00年代の旧版辞書で大検証

          日本は世界屈指の食糧自給国家だった!?

           一般に、日本は食糧自給率が低い国であると言われている。実際、カロリーベースの食糧自給率は36%[1]、世界で見れば179ヵ国中127位(偏差値38.5)、OECD加盟国38ヵ国内に限っても32位(偏差値39.6)と低水準である[2]。  それじゃあ、表題は嘘ではないかと思われるだろうが、ある一面では日本は世界でも指折りの食糧自給能力を誇る国であるのだ。これを深堀することで、日本の自給率に関する課題の根底を考えたい。 そもそも食糧自給率とはなんぞや? 食糧自給率を探るのだ

          日本は世界屈指の食糧自給国家だった!?

          京都駅の成り立ちを見て、京の都の構造を知る

           古都京都、この地のターミナルたる京都駅周辺には明治以後、京都貨物駅や現在の鉄道博物館になる機関区など広大な鉄道用地が確保、利用されてきた。寺社仏閣の林立する京都において、どのようにしてこの広大な用地確保がなされてきたのか疑問を抱き調査を行った。 京(みやこ)、京都 鉄道用地の確保について述べる際、京都という土地の成り立ちを知ることを避けることはできない。京の都の歴史は知っての通り平安京に遡る。  平安京が建設された範囲は上図のとおりで、中心線の朱雀大路には嵯峨野線が、大路

          京都駅の成り立ちを見て、京の都の構造を知る

          持続可能な日々のプラモ趣味を料理に見る

           プラモは心を調律してくれる。もくもくとした作業と複雑な立体が組みあがってゆくのは実に心躍るものだ。  コロナの巣ごもり需要から水星の魔女とここ最近プラモ全体の中でもガンプラは特に盛り上がっている。どこも在庫が払底し、いつも棚を飾っていた古いモデルですらどこにも売っていないような状況である。ガンダム00全盛の時代ですらどこの量販店でも欲しいモデルはほぼ確実に手に入れられた時代と比べると驚異的だ。  個人的には欲しいモデルが作りたい時に手に入らないのはなんとも悲しいのだが、

          持続可能な日々のプラモ趣味を料理に見る

          すずめの戸締りを2回見て、感想ないしは論考

           さて、個人的なことを申し上げると映画を2回見ることはあまりない。今作を2回見た理由はなんとも申しがたいが、いろいろと引っかかる点があったことと丁度、劇場で新刊が配られるらしいという複合的な要因にすぎない。 とはいえ2回見たことだし、これまで悶々としていた考察をここで書いてしまおうと筆を執った次第である。 すずめの戸締りをどう分解するか? 本作に関して様々論考されているとおり、ロードムービー的であり、立ち直りの物語であり、現代に落とし込んだ神話的な物語にも、注目する視点を変

          すずめの戸締りを2回見て、感想ないしは論考