人生最高の朝ごはん (オランダ ラーグ・ゾーレン)
アムステルダムで仕事があり、そのあとに一泊だけオランダ国内のどこかに行ってみようと思いました。いろいろオランダを探していくうちに、オランダは農業国でもあることを思い出し、宿泊できそうな農場を探してみることにしました。2018年9月のことです。
その時に訪れたのがDe Priesnitzhoeve(プリースニッツ農場)です。場所は下の地図のようにドイツ国境側になります。
農場を選んだのは、仕事の後なのでなんとなくのんびりしたかったというのが大きいです。かといっていわゆるリゾートに行く気もなく、日本でいうと田舎の民泊みたいなもののオランダ版がいいなあというのがぼんやりした目的でした。
宿についても、農場についても、周辺エリアについても、事前の予備知識はほぼゼロのまま現地で向かいました。参考にしたのはブッキングコムの宿の紹介ページだけです。
前日まで宿泊していたのはWeespというアムステルダム中央駅からオランダ鉄道で15分ほど東側の街です。いわゆる高級住宅地ですが、定宿にしている広くてお手軽なB&Bがあったからです。残念ながら2年前にB&Bはやめてしまいました。このWeespの宿をチェックアウトして、電車とバスを乗り継いで2時間ほどのアルンヘムという駅まで行き、そこからさらにバスで40分ほど行き、田舎道を15分ほど歩いた場所です。
宿や農場の前に、先に朝食の話をさせてください。特に事前情報もなく、期待をしていたわけではないのですが、まさかのここまでの人生でナンバーワンの朝食になったのです。
宿泊した翌朝、まだ外は薄暗い時間に目が覚めました。欧州の朝は9月だとまだ遅くて、たぶん6時位だと思います。ぼんやりと起き上がると、テーブルの上には昨晩のワインがまだ少し残っていました。
少し明るくなってきた7時くらいでしょうか、外で音がしたのです。はい、朝ごはんはバスケットに入れて玄関横のベンチに届けてくれるのです。
特に感動したのは、このWECKの瓶に入れられたバター。WECKはドイツの瓶の老舗メーカーです。そして狙ったのかどうかわかりませんが、バターの表面に、蓋に刻印されているWECKの文字が写ってるんですよ。お洒落すぎます。
エッグスタンドのゆで卵も、ゆで卵ってこんなに美味しいのかって、本当にびっくりしました。できたてで熱々、絶妙な半熟でした。
これらは言うなれば、日本の朝ごはんの定番メニューと言える、アジの開き、納豆、焼海苔、ご飯と味噌汁のオランダ版なんでしょう。日本の定番朝ごはんも、めちゃくちゃ美味しいのとそうでもないものがあるし、ご飯と味噌汁であっても言うまでもありませんよね。
こういうシンプルな食べ物こそ、美味しいものはすぐわかるんです。決して贅沢なものではなく、本当に美味しいものです。
では宿の様子を写真でこらんください。9月だったのでひまわりがちょうどいい感じで枯れかけてました。
ストリートビューを埋め込んでおきます。最初の状態で右側に見える、壁にオレンジ色のボックスが見えるのが宿泊した部屋の裏側です。周囲の風景はなんか動物園みたいですけど、これまわりは全部本物の農園です。
写真が出てこないのですが、農場の先はフェールウェゾーム国立公園で、その森はとても素敵です。こちらも貼っておきます。
この時はレンタカーではなく、電車とバスを乗り継いてやってきましたから、こんな大荷物を転がして再びバスと電車でスキポール空港まで向かい、バンコク、台北を経由して帰国しました。
最近は日本慣れしたインバウンドの人たちが、農家民宿に泊まる方がとてもも増えていると聞きます。彼らの気持ちが少しわかったような気がします。
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