【映画】クレイジーハート

先月末に公開された『ブラック・スキャンダル』を本日鑑賞してきた。

そこで、スコット・クーパー監督の長編デビュー作『クレイジー・ハート』を立て続けに鑑賞する。
☆カントリー・ミュージシャンのバッド・ブレイク(57)は全盛期ほどの人気もなく、地方を回っては酒に溺れる毎日を送っていた。そんなある日、地元の女性記者にインタビューを受けたのをきっかけに、その女性の息子やかつての元弟子と過ごしながら、次第に人生が好転していく。

物語り前半では、バッドの自堕落っぷりがよく分かるシーンが続く。タバコのシーンが印象深く、1本目の火種を利用して2本目を着ける。この1カットだけでベビースモーカーぶりが分かる、なかなかにオツな演出だ。
先月のヒバナのコラムで松本大洋氏が語っていたように、タバコは魅力的な小道具になりえる。なぜならタバコに火をつけて、物語りを動かし、もみ消すカットで終わりを表現できるからだ。
その他にも宮崎駿の『風立ちぬ』でカストルプが二郎の前から消えるシーンには、タバコの煙が立ち込めている。悪魔が消える際にできる煙をタバコで表現しているのだ。

また魅力的なキャストも素晴らしい。主人公は『フィッシャーキング』などでお馴染みのジェフ・ブリッジス。女性記者役は『ダークナイト』でバットマンことブルース・ウェインの恋人役レイチェルを演じた、マギー・ギレンホール。そして、何かとお騒がせで人気なコリン・ファレルは主人公バッドの元弟子役だ。

ぜひ、この休日を持て余してる方は観てほしい作品である。カントリー・ミュージックの軽快なリズムと堕落した生活から、人生の喜びを取り戻そうとするバッド・ブレイクの姿に勇気づけられるはずだ。

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