いのちをかうということは
動物愛護的な観点から命を売買するのは間違いだ。
そういう直接的で具体的なことを言いたいわけではない、パソコンで里親の情報を探すのはきっとパソコンを使い慣れていない人からしたら億劫だし、いざ譲渡会があっても一か月に一回は飼い主と面談したいと条件付けをするところもある。
それが嫌だという人もいる。うちがそうだ。
母は家に人をいれるのがストレスで、仕事で疲れてとあるペットショップに母が寄ったのが運命だった。
母のところにある彼は約二十万の七十パーセント割りの血統書付きの猫で、京都の宮津生まれで言葉の遅い猫。可愛げは無く、動きものっそりで、アピール力は皆無だった。
初めて彼を抱いた時に温かくて、もろいように感じた。
彼を飼うことになって、当時存命だった父が言ったことは二つだけ。
「命を選んだ」
と、
「命を買った」
彼を生んだ母ネコには感謝をしないといけない。
私は今日も彼に会いに行く。